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アテナ映像

週刊代々木忠

映画封切
  明日22日から映画「YОYОCHU SEX と代々木忠の世界」が封切られる。それを目前に控え、因縁といえば大袈裟だが、僕は目に見えない流れのようなものを感じている。

 まず石岡正人監督が代々木忠を撮ろうと決めたのは、僕がアテナ映像の社長ではなかったからだろうと思うのだ。直接聞いたわけではないけれど、石岡監督の性格から、そして僕が逆の立場だったとしても、一企業の宣伝につながるようなことには躊躇するだろうと。

 僕が社長を辞めたきっかけはウツだった。ウツの真っ盛りで「もうこれ以上この組織を引っぱっていく力はないし、このままではみんなに迷惑をかける」と判断し、プロデューサーをしていた取締役の杉山にバトンタッチした。

 それまで僕は社長を24期務めていた。何事も「12」をひとくくりとして考える僕は「12」という数字にこだわっている。それでいえば12を2回やったことになる。僕と杉山はちょうど歳が2まわり離れているので、24期でバトンタッチしたということは、僕がこの会社を起こしたのと同じ歳に、彼は社長になったことになる。もちろん偶然なのだけれど。

 今考えると、ウツが自分自身をふり返るきっかけになり、体はもう一度汗を流すことを求めた。ウツのときには体温が35度を切るときもあったが、今はウォーキングやストレッチ、呼吸法などによって、基礎体温をできるだけ36度5分にキープしようとしている。ご存じの方も多いと思うが、体温が上ると体内酵素は活性化し、基礎代謝や免疫力がアップする。

 渦中にいるときには、その先がどうなるかわからないものだが、ウツによって自分の体との対話が始まり、また今回の映画制作への遠因になったと思えば、ウツにも意味があったことになる。

 しかし、冒頭で「目に見えない流れのようなものを感じる」と書いたのは、これだけではない。今回の映画が上映される、そのタイミングこそが「目に見えない流れ」なのである。

 先日1月13日の朝日新聞に、厚生労働省の研究班による「男女の生活と意識に関する調査」の結果が掲載された。この調査は昨年の9月に16~49歳の男女3000人を対象にし、1540人から回答があったものだという。それによれば「セックスに関心がない・嫌悪している」と回答した人は、男性18%、女性48%。年代別では16~19歳で最も多く、男性36%、女性59%。

 この調査は、草食系化の進行を見事裏づけたわけだが、僕はこの数値を見てもさして驚きはしなかった。なぜならば、学生やOLや主婦を30年撮りつづけてきて、この兆候はここ数年、事前面接や撮影現場でとみに感じてきたからだ。そしてこのままでは、種の存続にさえ関わる大きな問題になると思ってきた。

 昨年、ローマ国際映画祭でメディアからの取材を受けた際、僕は「性がどんどん荒廃していって、今や即物的になっている」と答えた。わが国の性を荒廃させた最も大きな要因は、アダルトビデオにある。男が抜くための刺激のみを追い求めてアクティブになり、まるでアメリカンポルノかと見まがう作品が引きを切らない。

 そういう作品づくりには、AVメーカー側に撮影マニュアルがあるという。マニュアルがあるがゆえに、監督不在である。実際、バクシーシ山下、カンパニー松尾、伊勢鱗太郎、豊田薫……彼ら以降、監督が育っていない。男優にしても、加藤鷹やチョコボール向井以降は育っていない。なぜ育たないのか? 撮影マニュアルもそうだが、結局、AV業界がタネをまいていないからである。

 さらに、多くが男の都合で作られている。「オラオラ、どこ感じるんだ」的な作品は、女性が見たら不愉快なはずだ。もし逆に、男が女からそうやられるビデオが女のために作られていたら、男はきっと反発するだろうし、よほど変わった人でなければ見ないに違いない。現在のAVにも女性ファンがいるにはいるが、少数でしかない。

 石岡監督の今回の映画は、そこを気づかせてくれるし、AV業界は自分たちの制作姿勢を切り替えていく、いいチャンスを与えられたのではないだろうか。先週、一般試写会の舞台挨拶に立ったのだが、ひとりで見に来てくれた女性の多さに僕は驚いた。Twitter では「あの映画は、AVを通して、人間のありようを問うてくる」と批評してくれている一般の方たちもいる。

 今は直接ショップに足を運ばなくても、ダウンロードやストリーミングで見られる時代であり、女性にとっても見やすい環境だけは整いつつある。今後、アダルトビデオが女性も楽しめるものになったなら、本当の意味で市民権を得て、成熟していくのではないだろうか。各メーカーが男も女もセックスのよさを再認識できるような作品を作っていけたら、またひとつ時代が来るかなぁと僕は思うのである。
2011年01月21日