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アテナ映像

週刊代々木忠

瞬間恋愛
  監督をしていて難しいなぁと思うのは、「出演者たちの主体性」と「監督としての采配」、その2つの兼ね合いである。監督の指示があれば、出演者たちはそのとおり動いてくれる。だが、それは言い方を換えれば服従であり、演じているだけの作り物になってしまう。当然ながら、自然と起きてくることを取り逃がす結果になる。

 主体性を優先した場合、個々が自由に動いていながらも、そこにひとつの有機的な磁場ができればいいが、一歩間違うと個人がスタンドプレイに走る危険性も孕(はら)んでいる。先日撮影した「ザ・面接 VOL.124」は、残念ながら面接軍団のチームワークが乱れ、僕としては納得のいかない現場となった。

 今回、僕がもっとも心を痛めたのは、花岡じったが女の子に取った行動である。じったがセックスしていたとき、女の子が潮を吹いた。これが意図しないところで起きたのならば問題はない。あるいは意図的に潮を吹かせたとしても、たとえばその潮を男優が舐めるところを見せ、女の子のエゴを打ち破るというのなら。だが、今回はそうではなかった。潮吹きで審査員席が沸いたのに味をしめたのか、じったは彼女がイキそうになると、わざと抜いて潮を吹かせるというのを執拗に繰り返した。

 これでは彼女が見世物である。僕はこの子を事前に監督面接していた。そこで聞いたのは、過去のレイプ体験だった。いま彼がいるけれど、セックスをしていても、レイプのことがフラッシュバックし、心からセックスを楽しめないのだと言う。僕は「審査員の一人として出たらどうか」と提案した。「怖かったら、しなくてもいいよ。でも、なかにはレイプ願望を持っている女の子もいるから、それを見れば、あなたも欲情するかもしれない。そうしたら、乗り越えるヒントが見つかるかもしれないでしょう」と。

 彼女の過去を、僕は面接軍団に話してはいない。だから、じったにその過去を推し量れなどとは言わない。だが、曲がりなりにも「瞬間恋愛」をずっとテーマにしているこの現場で、女の子を見世物にするとは何事か。それは僕がいちばんやってほしくないことである。

 体の結合を見せるアダルトビデオにおいて、あえて「瞬間恋愛」という「心のつながり」を男優たちに要求してきた。その意味で、今回、片山邦生のセックスにも僕は納得できない。

 その女の子は前回、審査員として出ていた。森林とのセックスがあまりによかったので、僕はもう一度撮りたいと思ったのだ。監督面接でそれを告げると、彼女は「するんだったら、私、片山さんとしたいです。ああいうふうに、じっくり感情を込めてセックスできれば」と言う。

 片山とのセックスを望んでも、「ザ・面接」ではそうなるとは限らない。ところが、くじ引きで片山がその番号を引いてしまう。これでは始める前から男優同士のバトルの勝敗が見えてしまうが、まぁ、それはそれでいいと僕は思った。

 しかし、これが「あのときと同じ子か?」と自分の目を疑うほど、セックスになっていないのである。だいいち会話がない。「なぜオレを選んでくれたの?」でもいいし、「選ばれると男だってうれしいんだよね」でもいい。お互いの気持ちが高まり、心と心が寄り添うような言葉のキャッチボールがなぜないのだ。

 そればかりか、その後、別の女の子として、潮を吹かせ、結果的に中折れしている。まだ出番のなかった男優もいるのに、それを差し置いて自分が行くというのなら、せめてセックスを見せてくれと僕は思う。いや、それ以前に、そんな余力が残っているのなら、「片山さんとしたい」と言った最初の子となぜ向き合わなかったのかと。

 片山は女の子をアクティブに攻めるのは確かに上手い。だが、受け身では自分が固まってしまう。彼には「M男になって自分がヨガれば、もっと深いところでつながれる」と繰り返し言ってきたのだが……。

 片山にしても、じったにしても、僕の現場に来るのは、多くて月に1回、場合によっては2カ月に1回のペースだ。彼らは売れっ子だから、その以外のほとんど毎日、別の現場が入っていることだろう。そして、そこでは「女の子と会話しろ」とか「潮を吹かせるな」などと言われたりはしないだろう。

 1カ月か2カ月に1度やってくる現場で、それまでと真逆のことを求められても、人はそう簡単にスイッチを切り替えられないのかもしれない。だが、見世物のセックスが横行しているからこそ、見えない心のつながりに重きを置く目合(まぐわい)を、僕はこれからも撮りつづけていくだろう。

 片山とは長いつきあいだし、じったを応援してくれる中折れ委員会ファンクラブの女性たちの顔も目に浮かぶ。だが、やはり僕はどうしても「瞬間恋愛」だけは譲れない。だから大変申し訳ないが、片山とじったには面接軍団を一度はずれてもらおうと思う。

2011年10月14日