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アテナ映像

週刊代々木忠

一歩を踏み出せ!
  年末にデスクのまわりを整理していたら、古い雑誌のコピーが出てきた。「現代」という雑誌でやった鼎談(ていだん)の記事である。メンバーは経済評論家の森永卓郎さん、作家の斎藤綾子さん、そして僕。1996年11月号とあるから、もう15年以上前になる。

 「『終身結婚制で、男はかくも弱くなった』いまこそ愛と性の規制緩和を!」と題したその座談会は、「夜這い」の話から始まった。夜這いとは、セックスをするために夜中、他人の寝ているところを訪問する風習である。明治政府が禁止令を出すものの、村々に夜這いの風習は残り、それが完全に消えたのは1950年代と言われている。

 つまり、かつて日本の「村」という共同体に一夫一婦制という概念は希薄だった。ただし、やりたい女を好き勝手に襲っていいかといえば、村には村掟(むらおきて)や村定めがあり、そのルールには従わなければならない。とはいえ、今の日本と比べればずいぶん性に対して大らかであり、若い男女に性の手ほどきをする大人たちが存在していた。

 夜這いが消えた背景には、どんな時代の変化があったのか? 森永さんは、いくつかの大企業が1950年代に始めた「新生活運動」について語っている。要約するとこんな内容である。

 〈ある企業は看護婦を雇って、従業員の家庭を戸別訪問させた。「子どもを二人にすると、こんなにいい生活ができますよ」と教えながら、コンドームを原価販売で配ったというのだ。なぜそんなことをしたのかというと、ひとつには旦那を朝から晩までガンガン働かせるには、家庭が平穏でないと困る。もうひとつは、戦後、家族手当ができて、当時は人件費の2割くらいを家族手当が占めていたから、子どもが増えると人件費が膨らんでしまう。

 また、別の企業は給料袋に4コマ漫画を入れて社員に渡した。1コマ目に子だくさんの家庭が出てきて、子どもたちが騒いで、お母ちゃんは髪の毛くしゃくしゃでボロボロになって疲れている。次に、子ども二人の家庭が出てきて、こちらは対照的にお行儀のいい子どもで、実に幸せそうな家庭。それを髪の毛くしゃくしゃのお母ちゃんが見て「お宅はいいわね」で終わっているという〉

 森永さんの話は、企業による産児制限であり、マインドコントロールだが、「仕事第一」の当時はそれをとりわけ不自然とも思わない風潮があったのだろう。実際、このあと日本は高度経済成長に突入してゆく。

 その果てに日本はどうなったのか? 斎藤さんはこんな話をしている。

 〈男のいない国というか、女と子どもの国になっちゃったと思いますね。男で生きようとしたら、すごくカッコ悪くなっちゃう時代になってる気がします。男ってこんなに素敵なものよねっていうイメージが、女の子にもわからなくなってますね〉

 たとえば先述の夜這いの話を今読めば、倫理観や個人のプライバシーを問題視する人がいるかもしれない。だが、全国の市町村が均一化し、都会化してゆくなかで、個人の尊厳は本当に守られたのだろうか。僕には、国なり企業なりが自分たちの都合のいいようにアメとムチで洗脳していったようにしか思えない。

 この座談会で、僕は〈最近は寝転がってセックスされるだけという“マグロ男”が増えている〉と言っている。すでに草食系化の兆しがあったということだ。知らないうちに入れられた洗脳からは自由にならなければならない。

 新しい年を迎えた今、「もう一回、野性を取り戻そうよ!」「もっと本能を見直そうよ!」と言いたい。「リスク覚悟で一歩を踏み出せば、道は必ず拓ける!」と。
2012年01月13日