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アテナ映像

週刊代々木忠

知的な彼女が会いにきた訳
  先日「愛と性の相談室」の悩み相談で会ったのは、大学院に通う30代前半の女性だった。話を聞けば、毎日、自宅と研究室の往復で、帰宅すればだいたい10分以内には寝てしまうという。このまま研究者としての道を進むのか、それとも恋愛や結婚を経て家庭をつくる方向に進むのか、その岐路に差しかかり彼女は迷っていた。

 仕事と家庭を両立させている女性もたくさんいるはずだが、彼女の場合は、今の生活を続けているかぎり恋愛や結婚のチャンスはないと考えているようだ。同じ学校内には対象となる男性もいない。みんな研究に没頭していて、とても恋愛どころじゃないみたいなのだ。

 知的レベルの高い女性で、彼女と同じような悩みを抱えている人に最近よく出会う。高学歴で社会的にも認められる立場におり、今後も食いっぱぐれがなさそうなのに、本人たちは今のままで本当にいいのかと揺れ動いている。

 今回の相談者である大学院の彼女にも、僕なりのアドバイスというか、いくつかの話はしたのだけれど、これまでの相談者たちとはちょっと異なる印象を受けた。岐路での迷いは事実なのだろうが、今回来た本当の目的はどこか違うところにあるんじゃないかと感じたのだ。

 僕が撮影用のカメラを止めると、彼女は自分の研究テーマについて語りはじめた。

 脳神経を研究しているプロジェクトチームが大学院の中にあって、彼女はそのメンバーの一人だった。プロジェクトの中で、彼女が取り組んでいるのは自閉症だという。このブログで僕が「ミラーニューロン」について書いたのを彼女は読み、なんでAVの監督が「ミラーニューロン」なのかと関心を持ったみたいなのだ。

 自閉症はミラーニューロンの機能不全から起きるという説を、僕はたまたま本で読んでいたから、彼女の話はとても興味深かった。彼女によれば、自閉症の子は見れば5秒でわかるという。たとえば、ガラガラという赤ちゃん向けのオモチャがあるが、子どもの前でガラガラを振ると、ふつうは振っている人の顔を見る。ところが、自閉症の子はガラガラのほうに目が行く。同様に「こんにちは」と声をかけても、かけた人の顔は見ずに、後ろの壁を見ていたりするのだそうだ。

 つづけて彼女は「監督はセックスで目を見ることの大切さをくり返し言っていらっしゃるけれど、自閉症の子の場合もアイコンタクトが取れるようになって初めてコミュニケーションが可能になるんです」と言った。「ああ、そういうことなんだ」と僕は思った。セックスに限らず、目を閉じたり、開いていても別のものを見ているということは、感情を閉ざしているのと同じなのだ。

 「今は知識偏重社会になって、自分自身の脳で何かを確認するというよりも、多くの人が、外から入れられたデータで動く機械人間になっているように見える。そうすると使わない筋肉と同様に、ミラーニューロンもだんだん退化していくんじゃないかって、ブログに書いたんだけど、どう思う?」と最後に彼女に訊いてみた。彼女はこう答えた。「断定はできないけれど、それは考えられますよね」。
2012年02月10日