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アテナ映像

週刊代々木忠

「胎内宇宙」
 先日、犬の散歩がてら近所の日曜大工センターまで行った。店内にはペットショップも入っていて、うちの犬もそこで買ったのだ。「おまえ、ここで買われたんだよ」と店先で犬に話しかけてたら、ケージの中にいる黒っぽい子猫が目にとまった。子猫を見ながら、僕は18年前の姫ゆりを思い出していた......。

 撮影が終わって、みんなで事務所に帰ってきたあと、なんだかんだと僕らは雑談していた。そのうちに、姫ゆりが「おつかれさーん」という言葉を残して帰っていく。僕らは雑談を切り上げ、後片付けに取りかかった。すると、姫が戻ってきた。腕には黒っぽい子猫を抱いている。「この子、死んじゃうから、ちょっと場所貸して。看取るから」と言う。あまりきれいとは言えない子猫は、きっと捨て猫だろう。でも、もうすぐ死ぬ?

 僕の思いをよそに、彼女は「ちょっと見てて」と言ったまま、まだどこかに出かけていった。今度は手にハチミツを持って帰ってくる。お湯を沸かし、ハチミツを湯に溶いて、彼女は子猫に飲ませた。確かに元気がなさそうだが、子猫はハチミツを舐めている。けれども、その後まもなく死んでしまった。まさに彼女が言ったとおりに......。せめてもの手向けに、なにか美味しいものでも与えてやりたかったのだろうが、なぜ死期がこんなにピタリとわかったのだろう?

 チャネリングシリーズの「胎内宇宙」という作品で、僕は姫ゆりと延べ80時間あまりを一緒に過ごした。最初、彼女はこんなことを僕に話してくれた。

 「裏切りが多かったですよね。男性不信になっちゃって、もうこれ以上、男は要らないと思ったとき、自分がされたみたいに今度は反対に遊んでやろうと思ったんです。私、19のときに初めて赤ちゃんできたんですよ。産むつもりで7カ月まで待ったんですけど、籍入れてくれなくって。で、悩んでるうちに捨てられちゃった。お腹蹴ったり、ちゃんと名前つけたりして、産めると思って。7カ月といったら、ホントあと少しで生まれてくるのに......」

 堕胎のために入院したが、手術直前になって、彼女はやはり子どもを産もうと思い直し、院長に申し出るものの、もはや手遅れだった。中絶した赤ちゃんは男の子だったという。今なお彼女はそれを引きずっている。「信じられるのは、自分自身とお金しかない」と寂しそうに言った。

 「胎内宇宙」にはもう一人、織本かおりという女の子が出ている。織本は小さい頃から劇団ひまわりに入り、芸能界をめざしてきた。それ一筋に生きてきて、その間、男にだまされつづけ、もう男を信じていない。男を受け入れようと努力するが、彼女にとってのセックスは苦痛以外のなにものでもなかった。彼女がビデオに出るのは、そんな自分を変えたいという理由からだ。

 二人はこれまでの人生も、男への思いもよく似ている。男を憎悪し、自分さえも信じられなくなった二人が、真のオーガズムを体験したとき、すべてのしがらみから解放されるのではないかと、僕は考えていた。

 姫が男優の日比野達郎とセックスするのを、もうひとつのベッドの上で男優の山口賢二と一緒にいる織本に見せた。なかなかイケない姫を日比野がやさしく包み込んでいく。姫は快感を受け入れようとしながらも、深いところで拒み、自分の中で激しい対立を生み出しているようだった。そんなセックスを見ながら、織本は「怖い」「苦しい」と言い出した。僕は「抵抗しないで受け入れてごらん。山口君にすがってごらん」と伝えたが、織本はまるで自分がセックスしているように悶え、そして苦しそうにのたうちまわった。

 次は逆に、織本と山口のセックスを姫に見せた。織本がアソコを舐められると、姫の腰が動き出す。そして織本が感じてきて「怖い」と叫ぶと、姫も泣きながら、もがきはじめた。ところが、織本が恐怖よりも少しずつ快感がまさってきたとき、姫は「気持ちいいっ!」と言い出したのだった。

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 終わって、僕は姫に言った。「初めて気持ちよくなったな。今までオチンチン入れても気持ちよくないのに、オチンチン入れないで、なんで気持ちよくなるのよ? それがわかったら、すべてが解決するよ」。彼女は「わかんないよ、そんなのぉ」と言ったが、前とはまるで別人のように明るい表情をしている。

 日比野が「でも、中に入ってて、気持ちよかったんでしょ?」と訊くと「うん」と答える。「何が入ってたんだろうね?」と日比野。「何かね......」とはっきりしない。「セックスしてたんだよね?」。「うん、してた」。そんな二人の会話を聞きながら、僕は彼女に「姫は今まで男を憎んでいるから、男の人が重なってくると、気持ちよくなくなるのか。男の人が重なってこなければ、ただ気持ちよくなるのか」と言った。そして続けて「でも、気持ちいい男の人のモノが入ってきたっていう感じはあるんだろ。受け入れられるようになったじゃない」と言うと、姫はうれしそうに微笑んだ。

 織本には「男を恨むことをやめようと思っても、やめられない。そうしたら、男に甘えるなり、明け渡すなりすると、結果的に恨むことが存在しなくなるから。君が徹底的に甘えたとき、きっと愛になってるよ」と言った。彼女は黙ってうなずいた。

 その後、二人はそれぞれの男優とセックスをし、初めてのオーガズムを体験する。そのときに姫の言った感想が「男って私。きょうまで私は自分を敵にまわしていた。男の人も女の人も、私なんだ。私だから一体になって当然なんです」であった。

 この作品の姫と織本のように、一方が感じていると、なにもされていないもう一方が同じように感じたり、ときにはそのまま失神してしまうという現実を、僕は現場で何度も目の当たりにしてきた。これは、いったいどういうことなのか? 彼女たちに何が起こっているのだろうか?

 そしてオーガズムを体験した女の子たちは、たとえそれまでは「わかんないよ、そんなのぉ」と言っていた子も、まるで悟りの境地に達したような感想を僕に聞かせてくれる。なぜだろう?

 冒頭で書いたように、この撮影のあと、姫は子猫の死期を感じ取っていた。以前このブログの「母性のスイッチ」という話で書いた新田利恵は、出演したアーティストの中に幼子が見え、僕の中にも3歳の僕を発見している。母性が開花すると、なぜこういうことが起きるのか?

 僕には僕なりの仮説めいたものはあったものの、人にうまく説明できないでいた。まぁ、べつに人に説明しなくてもいいのだが、それでも雑誌の取材を受けたときなどには、やはり困るのである。そしてそれ以上に僕自身の中で、この現象を解明してみたいという思いがどんどん強くなっていった。

 ちょうどそんなときである。書店で僕は一冊の本と出会った。1998年11月のことだ。そこに書かれていることを読み、僕は「なるほど、こういうことだったのか」と納得した。

 次回からは、このブログで、それをみなさんに伝えられたらと思っている。


2009年03月19日