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アテナ映像

週刊代々木忠

ある女優の気づき
  USTREAM に「ショー・タマホリ」という番組がある。どんな番組かというと、紹介欄には「"地獄のしょこたん"こと女優・中原翔子と爆裂エンタメ記者・森田まほ、熱唱フリーライター・大道絵里子がお送りするガールズ闇鍋トーク番組」とある。

 3月17日配信の「ショータマホリ#02」では、3月刊行した『つながる』が彼女たちによって料理されるというので、どんな「ガールズ闇鍋トーク」になるのか、俎板(まないた)の鯉になったつもりで見てみた。今回は、その中で語られた中原翔子の言葉を紹介しつつ、それに対する僕の感想をつづってみようと思う。

 中原は『つながる』を読みはじめて、「いきなり自分の中の問題点が目の前に現れた」と言う。彼女の語る「問題点」とは次のようなことだ。

 1996年1月、中原は目合(まぐわい)体験をしてオーガズムを得る。その4~5年後に僕の『プラトニック・アニマル』を初めて読む。『プラトニック』はオーガズムについてまとめた本だが、実体験している彼女には僕の言わんとすることが腑に落ちたようだ。彼女の言葉を借りれば「代々木イズム」を実践しているつもりだったし、実践できていると思っていた。ところが、このほど『つながる』を読んで、それは結局「形」でしかなかったことに気づいたというのである。

 とかく人間は形にとらわれがちである。だが、自分のことだからこそ、なかなかそこに気づけない。本当にできているのか、それとも形にとらわれているだけなのか? 中原がそこに気づけたのは、彼女が女優だからかもしれないと僕は思った。演技とは感情表現だ。分析するよりも感じる。だから「何かが違う」とどこかでは感じていたんじゃないだろうか。それがたまたま『つながる』を読んで鮮明になったのではないかと思うのだ。彼女が言った「自分の中の問題点が目の前に現れた」という言い方も、そんなニュアンスを感じさせる。

 中原は目合(まぐわい)体験をしたのち、いろいろ紆余曲折があって潮吹き体質になっていく。それを彼女はこんな表現で語っている。「揉めた男女の進退の話。俺たちの関係は白なのか黒なのか――という話をしているときに、相手はグレーを選んだ。そうなると、白にしたい私もグレーしか選べない。そのときにぐっと自分を押し込めた。ぐっと押し込めたら、ビシャッといった。そういう体質になっちゃったと能天気に構えていたけれど、あれは私の中のストレスだったのよ。私の涙だったんだ」。

 潮吹きはたしかに体質もあるだろうが、やはり相手に心を開けないからこそ起こるということが中原の体験にもとづいて語られる。「私はそれを出し切ったことによって、やっと相手を受け入れる態勢ができるということを毎回くり返していた」と。僕が『つながる』に書いた潮吹きに関する考察は、現場の経験から導き出したものだが、当然ながら自分の体で体験したわけではない。だから今回の話は、その考察をもうひとつ彼女が裏づけてくれたということだろう。

 中原は今回のトークで、自分の私生活ばかりか本名(ケイコ)も出している。これまでは彼女は女優を優先させて生きてきた。だからプライベートよりも官能映画に出たときの濡れ場のほうにリアリティを感じてきた。「ケイコと翔子が一見ミックスしているようで、実際には翔子だけがどんどん独り歩きしている。分離が起きて、ケイコが下敷きにされている」と言う。

 そんな中原が本書を読んで、ケイコと翔子を共存させたいと思い、融合させるにはどうしたらいいのだろうという気づきが起きているのである。女は深いなぁと思わざるを得ない。僕が何十年もかかって「こういうことなんだろうか」と辿り着いたものを一瞬にして読み取ってしまうのだから。

 中原に限らず「ショータマホリ#02」に出演した女性たちは、みな会話が理知的で、それでいて猥褻(わいせつ)、なおかつ説得力がある。並の男じゃ太刀打ちできないようにも思う。

 『つながる』は女性に読んでもらえたらと思って出した本だが、おもに男性に向けた『快楽の奥義』(角川書店)という本も4月13日刊行になる。「なんだよ、10年の沈黙を破り……とか言いつつ、いったん破ったら立て続けか!?」と思われることだろう(僕もそう思う)。ほぼ同じ時期に2つの出版社から声をかけてもらったのは偶然だが、世の中にメッセージを発信するタイミングとして今2つが重なったのには、じつは偶然ではない「意味」があるのかもしれないとも僕は思っている。
2012年04月06日