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アテナ映像

週刊代々木忠

肉食系な老人たち
  去年から誘われていたので、この3連休、久しぶりに九州に帰ろうかなと思い、地元で暮らす友人のOに電話した。出るなり「いつになった?」。僕が「14、15、16」と答えると「ああ、そこは温泉行くわ、女と」と言う。Oは現在75歳。奥さんとは死別しているが、彼女が3人いて、3人とも30代である。

 以前「モテるよなぁ」と言ったら「いや、俺みたいなのは、向こうもカネが目当てよ」などと言いながら、まんざらでもない様子だ。

 電話口で、Oは「おまえも女つれてこいよ! 一緒に温泉行こう!」と言っている。なんせ自分が基準だから、女が3人や4人いるのは当たり前だと思っているのだ。僕は「また次の機会にするよ」と言って電話を切った。

 もう1人の友人Nが14日、小倉駅まで迎えに来てくれることになっていたので、行けなくなった旨を伝えるために電話を入れた。ちなみにNも彼女が2人いる。1人は20代、もう1人は30代。そしてNは73歳。

 今回、九州に帰ったら会おうと思っていた友人には、OとN以外にも、Sという男がいる。Sは僕らのなかではいちばん若いが、若いといっても70歳。そして、このSも現役で若い女と“恋愛”している。

 客観的に見てOもNもSも、イケ面からは程遠い。Oは「体重が50キロない」と本人が言うようにガリガリで、頭もうすい。Nは腹が出ている。Sは人相がよろしくない。しかも、みんな高校もろくすっぽ行っていない連中だ。もっとも、カネ儲けだけは上手いのだけれど。

 そんな彼らが、なぜモテるのか? Oは謙遜して「カネが目当てよ」と言う。たしかにカネも魅力の1つには違いないが、ポイントはそこではない。ひと言でいうと、彼らは自分の欲望に忠実なのである。己を知っているからこそ、女の前でことさら自分をよく見せようなどとはしない。ズケズケものを言うけれど、そこには裏表がない。言ったままが本心というか、そもそも計算も計略もなく、ついでに計画もない。

 たとえば、僕が一緒にいたとき、目の前の女の子に向かってOは「やりてえな、おまえとしたい」などと言っている。Nにしても「もうベロベロ舐めたいなぁ」と、嫌われそうなことをいきなり言っちゃったりする。あまりにも露骨だ。ところが、その何日か後には本当にベロベロしちゃってるのである。

 とびきりの美人で頭も切れる若い女の子を落としたとき、僕はNに訊いてみた。「よく落としたな。なんであの子を落とせると思った?」。Nが言う。「そりゃあ、勘よ」。考えてないのである。理屈じゃないところで「これはイケる」と思ったら、先に体が動いている。

 では、Nの言う「勘」を働かせるにはどうしたらいいのだろう? 『大辞泉』によれば「勘」とは「物事の意味やよしあしを直感的に感じとり、判断する能力」とある。「勘」を働かせるためには、「考える」から「感じる」に生き方をシフトすることが重要だと僕は思う。

 「女性のための愛と性の相談室」を開設して半年が過ぎたが、相談に訪れる多くの女性に共通しているのは、行動する前に考え過ぎているという点だ。「思考」とは知識や情報を判断材料にしているわけだが、知識も情報ももともとは自分の外側にあったものである。

 それに対して「勘」は過去の経験から条件反射的に起きてくる。言い方を換えれば、身をもって学んだことが判断材料になっており、それらは端(はな)から自分の内側にあって、借り物ではないのだ。

 ただし、勘だから「これはイケる」と思って「イケない」こともある。実際フラれれば、Nも人並みに落ち込んでいる。だが、すぐに次の興味や対象に関心が移り、引きずっている間がない。次に何かをやろうというワクワク感のほうが強いのだ。きっとフラれた経験すら、彼の勘にいっそう磨きをかけるのだろう。彼らを見ていると生命力が旺盛だし、つくづく生き物として健康だと思う。

 一方、いまの若い人たちは反抗期のない子が多いという。僕の目には若者たちがどこか骨抜きにされちゃってるように映る。親や学校や社会に合わせて、自分を殺している。それが身についてしまい、空気を読んだり、他人からどう思われるのかに、多くのエネルギーを使っている。

 僕たち70代とは時代も育った環境も違うのはわかるけれど、行動する前に考え、そのあげく「やっぱりやめておこう」と自分で結論を出してしまうのは、かえすがえすも勿体(もったい)ないなぁと思うのである。人生は「考える」ためにあるのではなく、「楽しむ」ためにあるのだから。
2012年07月13日