年齢認証

あなたは18歳以上ですか?

ここから先は、アダルト商品を扱うアダルトサイトとなります。
18歳未満の方のアクセスは固くお断りします。

閉じる

アテナ映像

週刊代々木忠

目標や計画を立てると失敗する?
  2013年が始まった。僕は例年になく忙しくなりそうである。「ザ・面接」や「ようこそ催淫世界へ」などのシリーズ制作はこれまでどおりだが、加えて「ザ・面接20周年記念特別版」の編集が毎月入っている。このブログも次回で200回。「女性のための愛と性の相談室」の相談応募はコンスタントにいただいており、このところ投稿が増えてきた体験談は読むのが楽しみだ。3月12日にはロフトプラスワンにて3回目となる面接軍団のチャリティーイベントが決定。構成を詰めるとともに、会場で上映する特別映像も編集したい。また、エンジン01文化戦略会議「オープンカレッジ in 浜松」というのがあり、僕も2月10日の「アダルトビデオ産業は必要か?」という講座に参加させていただく。その夜には飲食しながら語り合うプログラムもある。

 なんかこう書くと、目標や計画に向かってエネルギッシュに仕事をこなす能動的な人間みたいだが、僕自身はきわめて受動的で、ここにあげた今年の予定も、自分で企画したものはなく、自然発生的にというか、まわりとの関係性の中で生まれてきた結果にすぎない。

 作品づくりに企画がないというのは、これまでも書いてきたが、人との出会いだったり、自然な流れの中で、その先どうなるのか僕にもわからないものをずっと撮ってきた。20年続いた「ザ・面接」も、じつは撮りはじめて2年目の1995年に、僕の中でマンネリが起きた。だからそこでやめた。ところが、流通のある責任者から「ショップもあてにしてるし、もうあなた1人の世界じゃないんですよ。だから、ここでやめるなんて、そんなわがままはダメですよ」と言われた。そう言われて「確かにその人たちが見てくれるからこそ、俺は撮れてるんだよなぁ。であれば、その人たちへの責任が自分にはあるんだな」と思って、考えを改めた。受動的以外のなにものでもないが、そのシリーズが結果として今も続いており、20周年の特別版や関連イベントを生み出している。

 このブログも4年前、プロデューサーから提案されて、「うつも抜けたことだし、やってみようかな」と思って始めた。「愛と性の相談室」も、企画はスタッフから出た。ロフトのイベントは、映画「YOYOCHU」封切の前夜祭的なイベントがあり、そこに招かれた際、ロフトの担当者から「今度は代々木さん主催のものを考えてみてほしい」と言われたのがきっかけだ。「オープンカレッジ in 浜松」も事務局から声をかけてもらっての話である。

 このような生き方ゆえ、ある時期から「無為」を説いた老子の考え方に僕は魅かれていった。老子はいろいろなことをよく「水」に例える。水はあらゆる命を助け、しかも自らは争わず、低い所に位置する。水自体にはなにも意図がない。意図がないがゆえに、硬い岩をも穿(うが)つ強い力を秘めている、と。

 これまでの経験からも、自分が能動的になって、なにか事を成そうと思えば、考えの違いから賛同しない者も現われる。しかし、最初に立てた目標をなんとしても達成しようとすれば、邪魔になる者と戦わなければならないし、場合によっては彼らを犠牲にしていくだろう。仮に社長を目指している人がいたとして、やっと社長の椅子に座ったときには友を失い、体はボロボロになっているようなものである。それよりは自分が好きなことをやって、結果として社長になっているかもしれないし、なっていないかもしれない、でも、なっていなくても、そっちのほうが人生は楽しいはずだ。

 僕も日活のロマンポルノでドラマを撮っているときには、レールを敷いていた。そしてそのレールから食み出さないようにした。だが、レールがあるからこそ、自分が設定した目標以上のものと出くわす可能性も、同時に否定していたのだ。そこに気づいたのは「ザ・オナニー」を撮りはじめたときだ。僕は「本番もの」を撮りたかった。そういう話で紹介してもらった女の子が、いざ撮影という段になって「やっぱり私できない」と言い出した。僕はそのときレールを捨てざるを得なかったのである。

「じゃあ、オナニーだったらできるでしょ」と僕は彼女に言っていた。あのとき強引に「こちらの依頼を君は受けたんだから、ちゃんとやらなきゃダメだよ!」と押し切っていたら、あるいは本番を撮れたかもしれない。でも、そうして撮った映像が、はたして見る人を興奮させただろうか。きっと興奮はさせられなかっただろうし、レールにこだわっていたら、少なくともあの「ザ・オナニー」は生まれなかった。

 とはいえ、受動的な生き方とは、すべてを成り行き任せにしたり、他人に依存してしまうのとは、もちろん違うと思う。どう違うかといえば、こちらの心の窓はいつも開けておく。そうしておいて、自分の心の声に耳を澄ますのだ。もっと具体的に言えば、冒頭にも書いたように、いろいろな出会いや提案や誘いといったものが目の前に立ち現われる。それに対して、自分は面白そうだと思うのか、ワクワクするのか、その心の声を聴く。この何者にも縛られない内的なリアクションこそがもっとも大切なのだ。くり返しになるが、あらかじめレールを敷き、向かうべき方向を限定していないからこそ、それは聴こえる声なのである。


女性に見てほしいバナー
2013年01月11日