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週刊代々木忠

働いてこそ人生
  定年退職とともに一気に老け込んでしまうという話をよく耳にする。耳にするだけでなく、実際、僕の知り合いのなかにも、そういう人たちが何人かいる。会社に行かなくなった途端に、生きがいまで失ってしまう人たちが。

 人は「自分が必要とされている」「何かの役に立てている」という実感なくしてイキイキと生きるのは、どうも難しいようだ。この傾向はとくに男のほうが強い。女性の社会進出が目覚ましいとはいえ、今すでに退職している世代では、女以上に男のほうが定年とともに大きな変化に遭遇し、より多くのものを失うという面は確かにあるだろう。

 だが、それだけではない気がする。もともと女は自分のまわりの物事に生きがいを見いだすのが上手い。たとえば夫が頑張っていい仕事をしたり、世間に認められれば、それが自分の生きがいにもなる。その点、男はどうだろう。自分の女房が世間に認められたとき、それを生きがいと感じられる男が、果たして何人いるだろうか。

 日本人の平均寿命は、男が79.44歳、女が85.90歳(2012年、厚生労働省発表)。日本は世界にも長寿国として知られている。寿命が延びた背景には医学の進歩があげられるが、その中には延命治療もある。病院のベッドの上で人工呼吸器や点滴で生かされていて、本当に生きていると言えるのだろうか。近年はQOL、つまり単なる長さではなく、人生の質に人々の関心が移ってきている。質の中心に、きっと生きがいは位置する。

 多くの人は退職したのち、年金が主な収入源となる。それだけで食べていければ仕事をしていない人もいる。なかには、働きたくとも体が思うに任せない人もいるだろうが、動ける人は働けよと内心僕は思う。もちろん個人の自由だし、僕が口を出すことじゃないのはわかっているけれど、人間は腹さえ満たせればそれでいいというわけにはいかない。

 これは年金受給者だけの話ではない。公的年金の破綻がもう何年も前から取り沙汰されている。高齢者が今後ますます増えて、そのとき働き手である若い世代は、年金を納めるだけ納め、いざ自分の老後には生活に足る分をもらえないのでは、というものだ。積み立てた分を取り戻すという点ではもっともな話だが、もう国をあてにしないほうが結果的にはいいように思える。

 かつて敗戦をさかいに180度違うことを言い出した国を、僕は子どもの頃から信用できない。だから年金も昔からあてにしてはいなかった。若い読者は「そうは言っても、もらえる分は自分たちよりたくさんもらっているだろう」と言うかもしれない。

 74歳の僕自身について言えば、現在1回の年金受給額が7万円弱である。2カ月に1回の受給だから、ひと月あたり3万5000円に満たない。かつてはたくさん給料を取っていた時期もあるから、それなりに納めた。にもかかわらず額が少ないのは、今も働いて給料をもらっているからだ。減額された分がその後、たとえば仕事を辞めた以降に上乗せされることはない。それでかまわないと僕は思っている。もともとあてにしてないから……。

 年金は当然の権利とばかりに、老後の受給に不安を抱いたまま、国をあてにして生きるのか。あるいは、たとえ国が約束を守らなくても困らない生き方を自分で見つけるのか。それが今の人たちに問われているように僕には見える。

 自分の責任において生きれば、何かに守られているよりも、雨風をたくさん受けるかもしれない。そしてそれを誰かのせいにはできない。だが、そこには本来の生きる歓びが待っているに違いない。誰かに頼らない生き方。それが生きがいにつながっていくと僕は思うのだ。

 戦後、国家も企業も、組織にとって都合のいい人間たちを求めてきた。言い方は悪いが良質な歯車、それがあったから日本の経済はここまで発展を遂げたのだろう。でも「じゃあ、みんな、幸せかい?」という話なのである。



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2013年02月01日