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アテナ映像

週刊代々木忠

祭りと友と商店街
  北海道にいる娘が孫2人をつれて泊まりに来ていた。ちょうど隣町の祭りがあり、「なつかしいから、子どもたちをつれて行きたい」と言う。そこで僕も一緒に4人で出かけた。

 家を出て、ほんの20、30メートル行ったところで、太鼓の音が聞こえてくる。つづいて、お囃子(はやし)の音も。僕は祭りが好きである。あの音を聞くとワクワクしてくる。音のする方向へ4人で歩いていくと、次の辻で一行に遭遇した。

 先頭は、背に「神」と書かれた白装束のおじさん。そのあとに子どもたちが太鼓車を引っぱっている。大きな和太鼓が1張乗っているだけなので、大人なら2人もいれば、子どもでも10人くらいで充分そうだが、すでに40、50人の子どもたちが長い引き綱をつかんで歩いている。上の孫もすぐにそれに加わる。

 ドーン、ドーンと打ち鳴らしながら進んでいく太鼓は「来るぞー!」とまわりに告げる露払いか。そのあとに、笛や太鼓といったお囃子を乗せた山車(だし)がつづき、最後は大人たちが担ぐ神輿(みこし)だ。

 で、一緒に出かけた娘はといえば、行く先々で幼なじみに出会い、話に花が咲いている。娘が通った小学校・中学校の、ここは学区内なのだ。久しぶりに会った同級生たちと「わー!」とか「久しぶり!」とか「私、子ども3人なのよ」「うちは2人!」とか、とにかく大盛り上がりで、一緒に行った僕のことはとりあえず忘れている。

 その光景を見ながら、僕はよそ者だが、娘はここが地元なんだよなぁと思った。娘は夫の転勤で2年東京を離れているけれど、ずっとここで暮らしていたとしても、ふだん同級生と会うことはそれほどなかっただろう。こういう機会でもなければ。

 太鼓車を引っぱっていた子どもたちは、駅前で福袋のようなご褒美をもらって解散になった。そのあとは、神輿がこの地区の氏神を祀る神社に向かって商店街をのぼってゆく。

 会社では大人しいサラリーマンも、家事や育児に追われる主婦も、お店をやっているダンナもオカミサンも、神輿を担ぐこのときばかりは血湧き肉踊り、真剣そのものの形相。お互いの肩書きは消え、オスとメスの本能がほとばしっているように僕には見えた。それを見ている6歳の孫も、目が輝いて高揚しているのがわかる。

 今は、全国のいたるところで“シャッター通り”と化した商店街を見かけるけれど、ここの商店街は珍しく活気に溢れている。祭りを見ても、地元への愛着と誇りのようなものを感じる。その団結は、きっと地域のコミュニケーションが健全で、昔からあった人間関係が商店街とともに生きているということなのだろう。

 そして、たとえふだんは忘れていようとも、この地域の中心にはまぎれもなく神社の存在があるということなのだ。かつては、日本のどの町や村でもそうであったように。




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2013年10月25日