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アテナ映像

週刊代々木忠

オスがオスであるために
  かつてヤップにハマッていたころ、帰国途中、グァムに2泊したことがあった。伸び放題だったヒゲを剃って、ビーチやプールサイドにいると「一人ですか?」とか「どれくらいいるんですか?」と女の子たちがやたら声をかけてきた。

 グァムに寄る前、ヤップにはたしか1カ月ほど滞在していたと思う。だから僕はずいぶん日に焼けていた。だが、モテたのは日焼けのおかげでもなさそうだ。なぜなら、日に焼けている男たちなら他に何人もいたし、僕自身、グァムでもっと黒くしたこともあったが、そのときは何も起こらなかったからである。

 きっとこれはオスの匂いだろうなと僕は思った。五感でいう匂いではない何かをメスが嗅ぎつけてやってきている。そのとき僕は何かを発していたのだ。

 今とは違い、当時のヤップはまだ未開の地で、海洋民族である島民たちは気性もなかなか荒かった。男はみな蛮刀を持っており、集落間の抗争で酋長の四男坊が殺されたとか、その報復には巻貝の毒が使われたとか……生々しい話し合いの場が持たれているときに滞在したこともある。さすがに日本人の僕らが抗争に巻き込まれることはないけれど、島全体の空気感というか緊迫感がミクロネシアの他の島々とは違うのだ。

 滞在していたベチョル村は遠浅のリーフなので、遠泳しようと思えばアウトリーフまで行くことになる。そこにはサメもいる。でも、サメよりも怖いのはダツである。ダツは細長い魚だが、特に両顎は前に長くとがっている。小魚のウロコが反射する光に向かって、ダツは時速60キロで突進してくる。そのスピードでダツにぶつけられれば、とがった口は人間の体にも深く刺さり、刺さった途端えぐるように回転するという。だからダツは、村の人々にも恐れられていたのだ。僕は気持よく泳ぎながらも、波を立てないように気をつけた。つねにダツのことが頭から離れなかったのである。

 危険なのは海の中ばかりではない。のどかな砂浜を歩いているときでさえ、危険を察知する感覚は養われる。ヤップには集落を囲むようにヤシの木が密集している。しかもこっちのとは違って、めっぽう背が高い。上のほうにはヤシの実が鈴なりだが、ちょっと強い風が吹けばドスーンと落ちてくる。数が多いだけに、それこそ5分か10分おきくらいに、どこかで落ちる。村人からも「これだけは気をつけろよ。俺たちは助けられないから」と言われた。そりゃ、そうだ。落ちたと思ったときにはもう地面に転がっている。「もし頭を直撃したら、きっと即死だよな」と僕らは話していた。

 その他にもあげれば切りがないが、こういう所で1カ月も暮らしていると、野性が出てくるというか、おのずと本能的になってくる。

 脳を、その進化になぞらえて3つに分ける考え方がある。(1)爬虫類の脳、(2)哺乳類の脳、(3)人間の脳などといわれる。(1)爬虫類の脳は、呼吸や心拍や血圧といった内臓器官を動かす、生命維持のための脳。(2)哺乳類の脳は、快や不快、恐怖や不安、怒りなどの情動をつかさどる脳。(3)人間の脳は、情報や知識を膨大に蓄え、それを論理的に組み立てる脳。

 先日、TOKYO МXテレビで戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長が石原慎太郎議員と対談をしていた。戸塚さんの持論は「脳幹論」というのだそうだが、対談においても盛んに「脳幹を鍛えなきゃいけないんだ」と言っていた。

 脳幹は、前述の(1)爬虫類の脳に属する。要するに、生きものとして根っこの部分である。戸塚さんの「脳幹論」では、現代っ子はこの大事な脳幹を刺激されないまま成長しているがゆえに生命力が弱くなり、精神力も弱くなったという。

 僕も、思考至上主義の現代においては、(1)爬虫類の脳や(2)哺乳類の脳がとかく軽視されてきたように思える。ヤップでの1カ月は、戸塚さん言うところの脳幹をはじめ大脳旧皮質や大脳古皮質、つまり(1)爬虫類の脳や(2)哺乳類の脳を駆使することによって、僕は野性的になっていたと思うのだ。


 これらを鍛えるには、そこを使わざるを得ない状況を作ってやるのが早い。たとえばヨットやサーフィン、ウインドサーフィンといったマリンスポーツは、つねに海という自然の脅威に身を置くことになる。とりわけサーフィンは、それに加えて腰を鍛えることにもなる。また、ロッククライミングなども重力という脅威と隣り合わせであるからオススメである。

 いずれにしても、いつも安全な場所に身を置いて、体を動かさず、汗もかかず、机やパソコンに向かっているだけでは、どんどん野性は退化してゆくことだろう。

 オスがオスでなくなっている。それをメスたちはたしかに感じ取っているのである。





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2013年11月08日