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アテナ映像

週刊代々木忠

柏木みな[前編]
  回春エステでは、機能増強や精力回復のためのマッサージを行う。ただし"抜き"はない。むろん例外的な店もあるのだろうが、少なくとも柏木みなの勤める店にはなかった。

 とはいえ、客である男はマッサージ中に勃起する。機能増強や精力回復が目的なんだから、勃(た)って悪いことはない。が、勃てば「しごいて!」「入れさせて!」となる。そんな男たちを、柏木はどこかで蔑(さげす)んでいた。"抜き"がないのは、お客も了解済みのルールなのだから。抜くのが目的ならば、最初からそういう店に行けばいい。

 ところがである。マッサージが終わったあと、柏木のパンティは濡れている。欲情する男を蔑みつつ、気づかないうちに欲情している自分をも嫌悪する。このパラドックスを、柏木は「おちんちんは許せる」と表現する。おもしろい言い方をするなぁと僕は思った。言外に「男は許せないけれど」というのが付くのだろうが、明らかに彼女の中で分離が起きている。

 彼女の過去には、男にまつわる何か壮絶な経験があったのかもしれない。だが、僕はあえてそれを尋ねようとはしなかった。これまでならば、そこは突っ込みどころでもある。ともすれば、作品のテーマにもなりえるし、それを掘り下げ、彼女が変わっていくさまをカメラに収められれば、一作品としては成立する。

 なぜ、僕は彼女に切り込んでいかなかったのだろう。思い返せば、それは今までずいぶんやってきたことだ。それよりも、やはり彼女をじっくり見ていきたいという思いのほうが強かったのだろう。

 「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ」の事前面接で、僕は初めて柏木に会った。話をいろいろ聴いていくなかで、この子はセックスの迷い道に入っているなぁと思った。女の子のセックスに対する向き合い方には、大きく分けて3つのグループがある。

 1つめは、いいセックスを求め続けているグループ。本当のオーガズムを体験したいと思ってる子や、今よりもっといいセックスがあるはずだと思っている子が、このグループに属する。〈本能オクターヴ系〉

 2つめは、セックスに失望しているグループ。セックスなんて所詮こんなもんだと決めつけている子たちであり、彼女たちはもうセックスに何も期待していない。実はこのグループに入る子はけっこう多い。〈感情オクターヴ系〉

 3つめは、セックスを結果として遠ざけているグループ。個々にさまざまな事情が存在するが、たとえばセックスは好きな人にあげなくちゃいけない(しかし、なかなかそういう相手に出会えない)とか、私はそんな軽い女じゃないと思っている子たちである。〈思考オクターヴ系〉

 ふつう僕は目の前の女の子がどのグループに属するかを見極めて、「なぜそうなの?」というところから切り込んでいく。ところが、柏木はどのグループにもあてはまらなかった。

 柏木が回春エステ嬢をしていることには、何か意味があるはずだと僕は思った。彼女はエステティシャンの資格と技量を持っている。ならば、女性相手のエステティックサロンでも食べていけるはずである。なのに、わざわざ客や自分までをも嫌悪する回春エステにいるのは、たとえ本人が意識せずとも、深いところでそこに何かを求めているということではないだろうか。

 僕は「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ」の中で、まず柏木の意識のタテ軸に介入した。具体的に言えば、柏木に催淫CDを聴かせ、充分に欲情した状態で、男優の片山邦生を客に見立て、店の再現を注文した。始まる前から片山は勃起している。本当の店ならば、柏木も寸止めで自分を抑制するところだが、催淫CDによって「H48」の機能ともいうべき抑制力は格段に落ちている。

 ついにこらえきれなくなった柏木は、片山のおちんちんをくわえ、二人のセックスは始まった。正常位で片山が上のとき、イキそうになった彼女は、片山を突き飛ばして潮を吹いた。ここで柏木はイッていない。ところが、彼女が上になり「私の中でイッてもいいんだよ」と片山にささやいたときには、自分から思いっきり腰を使ってイッている。

 僕はそれを見ながら、やはり彼女は深いところで男を受け入れていないのだと感じてしまった。彼女にとって自分が下になる正常位は「セックス」だが、男の上で自ら腰を使っているときは相手を喜ばせるための「サービス」なのだ。だから「私の中でイッてもいいんだよ」とさかんに言っている。

 これは「幸せにしてあげているんだ」という「思考オクターヴ」のエクスキューズに他ならない。店でもパンティが濡れてしまうくらいだから、もともと「本能オクターヴ」は「H24」状態にある。けれども「感情オクターヴ」だけは「H96」のままで、明け渡してはいない。だから、「愛おしい!」とか「一緒にイッてぇー! 私もイクぅー!」とはならなかった。

 そこで、本能と思考がH24のうちに、柏木にペニスバンドを付けてもらい、男の感情オクターヴを疑似体験させた。柏木は気づく。「なんだ、こういうことだったの」と。「男って可愛いじゃない」と。ここで、男に対するデータが組み変わった。エネルギーモード(無意識に働く習慣)で、男と向き合ったとき、残影的エネルギーが反応してしまう傾向はあるけれど、第1段階はこれでクリアできたかなと僕は思っていた。               〈つづく〉

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「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ(9)」より
2009年05月29日