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アテナ映像

週刊代々木忠

突発性難聴
  かれこれ1カ月になるが「ザ・面接VOL.139」の撮影前夜、右耳がとつぜん聞こえなくなった。明日は現場だというのに、こりゃ、まいったなぁと思った。

 そういえば1年半前にも夜自宅でテレビをつけたら、言葉が言葉として認識できないくらい音が割れて聞こえたことがある。そのときはかなり焦った。でもこの時間じゃもう病院はやってないし、救急車でもないだろうし……。明日病院に行こうと思って寝たら、翌朝には治っていた。

 あのときは両耳の音割れ。今回は片耳だけが聞こえない。どっちがいいという話じゃないけれど、前回同様、一晩寝れば治るかもしれない。そんな淡い期待、いや、切実な期待を抱きつつ、眠りに就いた。

 朝、目が覚める。どうだ、耳は? 右耳はやっぱり聞こえない。で、「ザ・面接」の現場はといえば、前後左右の音が混ぜこぜになって左耳だけから聞こえる。当たり前だけど。そうすると、実際にはどっちの方向で誰がしゃべっているのかがわからない。

 「ザ・面接」は2台のカメラで撮っている。とはいえ、助監督のサブカメラは、基本的にエキストラの表情だけを追いかけている。なので、同時多発的に起きるセックスは、僕のカメラ1台でカバーしないといけない。もちろん目でも確認しながら撮ってるのだが、耳って凄いなぁ……と今回まざまざと思い知らされた。

 そして片耳だと話し声も聞きづらい。あるシーンで大阪の女の子が言った言葉を、僕は「今なに言うたん?」と聞き直している。カメラの内蔵マイクはしっかり拾っていたものの、僕には聞こえなかったのだ。

 編集作業も左耳だけで進めた。どうしても聞き取れない箇所は、隣のデスクの助監督に「ちょっと悪い。これ、なんて言ってる?」と代わりに聞いてもらいながら。現場が手さぐり状態だったから、ちゃんと撮れてるか不安だったが、編集してみて、これなら大丈夫だなと思った。

 でも、右耳は聞こえないままだ。そのうち治るだろうと思いながら、1日、2日、3日……と過ぎてゆく。助監督から「ネットで調べたんですけど、原因として怖いケースもあるみたいだから、病院行ったほうがいいですよ!」と言われた。「じゃあ、行くわ」と、翌日の金曜、同じ町内にある耳鼻咽喉科の門をたたいた。聞こえなくなってから、ちょうど1週間が過ぎていた。

 聴力検査(ピーピーという音が聴こえたらボタンを押し、消えたらボタンを離す)を受けた。右耳は聞こえていない。突発性難聴と診断された。ただし、聴神経腫瘍の場合もあるので、一度MRIで調べたほうがいいと言う。むろん町内の耳鼻科にMRIはない。で、大きな病院への紹介状を書いてもらった。

 土日を挟んで翌週の月曜、総合病院の耳鼻咽喉科へ行く。そこでも同じ診断だった。突発性難聴だが、腫瘍の可能性もあると。僕はすぐに血液検査にまわされ、その結果が出る1時間後に耳鼻科に戻った。そこで担当医から言われたのは「一度帰宅されて、きょうの夕方までに入院手続きを取ってください。入院期間は1週間です」だった。

 「入院って、先生、手術するんですか? 耳が聞こえないくらいで?」。医者の説明によれば、突発性難聴の治療法としてステロイド投与があるが、胃の負担を避けるために錠剤等を飲むのではなく、点滴で血管に入れるか、鼓膜に穴をあけて注入するか、2つの方法がありますと。

 僕はずっと前からステロイドには抵抗がある。はっきり言って、やりたくない。でも、このままでは今後の仕事に支障が出るかもしれない。さて、どうしたものか……。僕は医者に訊いた。

 「入院してステロイド治療をやれば治るんですか?」。医者が僕の顔を見ながら言う。「治る確率は60%です」。僕は一瞬絶句した。「60%って言ったら、五分五分に毛が生えた程度じゃないですか……」。


(つづく)
2014年05月02日