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アテナ映像

週刊代々木忠

蘇える変態
  先月、一冊の本が送られてきた。『蘇える変態』。ずいぶん変わったタイトルだ。中を開くと、謹呈著者という紙片が挟んである。この本を書いた星野源さんから贈られたものだった。

 そこからさかのぼること数カ月、WOWOWのある番組での対談依頼が舞い込んだ。対談相手はアダルトビデオの名づけ親でもある水津宏さん。2人でAVの創成期からの話を自由にしてくれという。テーマが限定されてないと逆にやりづらいが、長いつきあいの水津さんとだったらいいか……と受けることにした。

 この時期に何故そういう対談が企画されたかというと、この番組自体は星野源さんの特別番組。星野さんは大手術をして、このほどカムバックされたそうなのだが、もともとAVが好きで、僕にも興味を持ってくれているという。なので、快気祝いがてら、星野さんには内緒で収録した対談を番組中に見せるという企画なのだ。

 このときまで僕は星野源さんを知らなかった。どういう人だろうと調べてみると、ミュージシャンで、俳優で、作家。なんと多才な。しかも33歳と若い。ファンもたくさんいるようだ。そんな人が僕に興味を持ってくれてるとは驚きであり、ありがたい話である。

 対談はサプライズだったから、結局、星野さんには会っていない。そこに届いた『蘇える変態』(マガジンハウス刊)。エッセイ集である。せっかくなので、じっくり読ませてもらった。

 僕が若い頃、有名な俳優や歌手の私生活はベールに包まれていた。今はアダルトビデオについて語る人もなかにはいる。いるけれど、『蘇える変態』を読んで、自分のオナニーや性癖について、ここまでフランクに書ける人がいるのかと驚いた。

 印象に残ったエピソードをひとつ紹介しよう。先ほど「大手術をして」と書いたが、動脈瘤再発で開頭手術を受けた星野さん。麻酔から覚めると、そこは集中治療室。声を出さずにはいられない、暴れたくなるほどの頭の痛み。

 やってきた可愛いナースに「痛み止め、打ってもらっていいですか」と頼むと、彼女は「座薬にしますね」と言い出す。僕も手術後、痛み止めの座薬を入れてもらったことがあるが、ビデオを撮っている僕でさえ、ナースに入れてもらうとなれば、やはり恥ずかしい。もちろん星野さんもそうだろう。

 ところが、彼が凄いのはここからだ。「こんな可愛い子にお尻を責められている」と妄想することで、激痛から逃れようとする。ここに来て、これは凄い。その発想は僕にはなかった。

 『蘇える変態』のあとがきに、先日、日本変態協会の会員になったとある。日本変態協会とは初めて聞いたが、会長がタモリさん、副会長が鶴瓶師匠なのだそうだ。だれしも変態の部分があると思う。よく「私はそんな女じゃない!」と言う子がいるけれど、そこを自分が認めてしまえば結果的に「そんな女」でなくなるという逆説が起こる。

 タモリさんにしても鶴瓶師匠しても、これだけ長い間、芸能界の第一線で活躍しながら、色恋沙汰のゴシップは一度として聞いたことがない。

 日本変態協会の会員になったと自ら公言する星野さん。オナニーの話も性癖の話も、有名になればふつうはいちばん気取りたいところである。星野さんのようにさらけ出せたら、もう怖いものはない。みんな、こうなれればラクなのになぁ……と思う。もしも会う機会があれば、彼とならすぐに打ち解けられそうな気がして、思わず僕はファンになってしまった。
2014年06月06日