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アテナ映像

週刊代々木忠

愛染恭子
  今から30年以上前、僕はアクトレスというタレント事務所をやっていた。所属している女の子は、最盛期には50人を超えた。そのなかの1人に青山涼子がいる。のちの愛染恭子である。

 涼子は向こう気が強く、初めて会ったとき、僕と同じ匂いがした。手のかかる子で、京葉道路だったと思うが、ハコ乗りをやって捕まったときには、マネージャーが警察までもらい下げに行ったこともある。

 当時、日活ロマンポルノを撮っていて、なかでもスケバンシリーズは人気があった。主役はほとんど五十嵐のり子という子だった。上背があり足も長いから、蹴りも絵になる。でも、次の作品では初めて涼子をメインに起用しようかと考えていた。地方の仕事に行っていた涼子に、僕は電話を入れた。「今度、おまえ、スケバンに決めたから、根性入れて帰ってこいよ!」。

 すると、涼子は歯を抜いてやってきた。主役に抜擢すると言っているのに、なぜ抜歯する必要がある? 意味がわからない。理由を問うと、僕が「根性入れてこい」と言うから、どうしたらいいだろうと考え、よし、歯医者に行って歯を抜こうと思ったそうである。彼女にとっては「根性を入れる」=「歯を抜く」だったのだ。前のほうの歯を抜いているから、口を開くといかにも間抜けだ。「アホか、おまえは!」。こうして涼子の主役は流れた。

 武智鉄二監督から「白日夢」のヒロインを探しているという話がアクトレスに来たのは、それから何年か後のことである。監督面接の日には、スケジュールの空いている子を全員集めた。だが、監督は全員と会うまでもなく、涼子に決めてしまった。どこに魅かれたのだろう? きっとそれは僕が初対面のときに感じた匂いではなかっただろうか。

 「白日夢」の封切とともに、涼子は武智監督がつけた愛染恭子という名でブレイクする。しかし、世間が騒いでも正直ピンとこない。僕にとってはあくまでも涼子なのだ。だから、長年仕事をともにしてきたカメラマンの友人から「愛染で1本撮ってみたら」と言われるまで、僕は愛染の価値に気づきもしなかったのである。

 そうして出来上がったのが「淫欲のうずき」だ。それまでは日活の下請けとして1本撮るごとに決まった制作費が支払われるという形でやってきたけれど、ここからは自分たちで著作権を持ち、掛け率いくらで商品を出していくという形に変えた。つまり、売れれば売れるほど、お金が入ってくるわけである。

 ただし、それにつけては、アクトレスというタレント事務所のままだと、派遣業法からもいろいろ問題がありそうなので、制作会社として法人を分けることにした。これがアテナ映像を立ち上げるきっかけである。もしも愛染という存在がなければ、アテナ映像は少なくともこの時期には生まれていない。

 家庭用ビデオデッキの普及とあいまって、「淫欲のうずき」から始まった愛染のシリーズはよく売れた。けれども、本人は相変わらず手を焼かせてくれる。危ない男が好きなのか、たちの悪い相手とつきあっていたこともある。僕はその男を事務所に呼んだ。「手を引いてくれ。引けないようなら、こっちもまた別の話になってくるから……」。僕も元気がよかったし、彼は僕の指がないのもわかったから、こいつとやると厄介なことになると思ってくれたようだ。

 愛染は「女優としてやっていきたい」と言い続けていた。「白日夢」でブレイクしたとき、彼女には本番女優というレッテルが貼られた。だからこそ、今度は女優として認められたいという思いが人一倍強かったのかもしれない。それなのに、性感マッサージを受けさせたり、催眠にかけたり……。思えば、およそ女優とは程遠い仕事ばかりさせてきた。あるとき、愛染が僕に言った。「私、女優だから本番はイヤです」。「よし、わかった」と僕は答えた。

 そこから僕と愛染が進むべき道は別れた。べつに怒って言ったわけではない。僕は僕で、いつまでも女の子に頼って売っているんじゃ……という監督としてのプライドもあったのだ。けれども「もう愛染は撮らない」と販売代理店に言ったとたん、「なんで!」「もったいないよ!」「まだまだ稼げるのに!」と集中砲火を浴びた。「でも、オレはそれがイヤなんで」と考えは変えなかった。

 それから何年経っただろうか。僕がサイパンにスタジオを作り、さらに土地を買い足してミクロネシアの踊りを見せる村を作ろうとしていた頃だ。バブルが崩壊し、銀行の融資が止まり、サイパンの計画は頓挫する。自己資金を使い果たしたうえ、多額の負債を背負った僕は、資金繰りにも四苦八苦していた。

 ちょうどそんなとき、愛染が事務所にブラリとやってきた。「今遊んでるお金だから使って!」と3000万円を差し出してくる。無利子でありながら、借用書も受け取らなかった。そのお金によって、僕はどうにかやりくりできたのだ。

 愛染は負けず嫌いで、ケンカっぱやい。常識はずれで、何をしでかすかわからない。波瀾万丈。引くことを知らず、懲りない。自分の我(が)を出す。世間からはみ出し、とてもまるく収まらない。だからこそ愛染は、ある意味どこまでも純粋で、魅力的だったのだと思う。





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2014年09月05日