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アテナ映像

週刊代々木忠

癒着と拡張
  2週間ブログを休ませてもらった。梅雨の日本を脱出してちょっと南の島まで……ではなく、病院に逆戻りだったのだ。

 膀胱がんの手術から2カ月経ったが、そのとき傷を負った尿道は癒えることなくオシッコのたびに痛み、トイレに行くのが憂鬱な日々をずっと送ってきた。8年前の手術でも術後の排尿には苦労したものの、さすがにこれほど長く続くことはなかった。

 そればかりか、もともとオシッコの出がいいほうではないが、今回の手術後、日に日に悪くなっていった。まるで尿道の傷が癒着を起こして、内径が細くなってしまった感じなのだ。もしこのまま出なくなっちゃったらヤバイなぁと思った。

 そこで、次の診察予定日まで待たずに、手術した総合病院の外来に行った。予約していないので朝一番に行ったのだが、予約患者の診察は途切れることなく続き、結局3時間待って最後の最後に診てもらった。

 僕としては、ボールペンの柄ほどある内視鏡と電気メスを同時に入れ、人の尿道をズタズタにしておきながら、その後のケアが中途半端なのでこうなったという印象が拭えない。しかし、医者の見解は違った。そもそも尿道はデリケートだし、尿道が狭窄していく病気があるのだという。つまり、膀胱がんの手術と尿道の狭窄は関係ないという主張だ。では、なぜ手術のたびごとに(といっても2回だけど)悪くなるのか?という疑問には答えてもらえなかったのだが……。

 どっちにしても、狭くなった尿道を拡張しなきゃいけないということで再入院と相なった。手術の前日に入院。ところがその夜、熱が39度まで上がる。手術当日の朝も38度台。尿検査と血液検査の数値もよくないようで、手術は延期になった。医者のほうは、風邪に加えて、腎臓が炎症を起こしていると診断したようだ。説明によれば、尿道が狭窄すると尿が腎臓に逆流することがあるそうで、そうなると腎臓に炎症が起こる場合があるという。脈拍数は1分間に105と高いし、不整脈も出ていた。

 熱が下がって手術ができたのは、予定より2日遅れてのことだった。その場になって初めて執刀医がわかる。若い医師だ。大丈夫かなぁ……。主治医と泌尿器科の部長は立ち会いに来ている。「来てるんだったら、主治医か部長がやれよ」と心の中で思う。「若手に場数を踏ませるためかよ」と。

 ところが、手術が始まってみると、どうやら僕の思い違いだったみたいだ。膀胱がんのときと同様に尿道口から内視鏡と電気メスを入れ、設置されたモニターを見ながら癒着した小さな部位を切除していくのだが、実際に患部を直接見ながら切るのとは、やるほうも勝手が違うんだろうなぁとあらためて思った。たとえば映像の編集でいえば、かつてアナログ時代のリニアと現在パソコンを使ったノンリニアとでは、同じ編集でもまったく勝手が違うのと同様に。

 なので、尿道に内視鏡を入れてモニターを見ながら手術する技術は、若手の執刀医のほうが勉強してるし、場数も踏んでおり、年配の主治医と泌尿器科の部長は立ち会ってはいるけれど、逆に勉強しているように僕には見えた。

 話は変わるが、今回の入院ではちょっとした拾いものというか、朗報ももたらされた。先ほど「もともとオシッコの出がいいほうではないが」と書いたが、そう感じ始めたのは、今から8年くらい前のこと。泌尿器科の開業医に行ってそれを告げると、医者はさっそく僕をマングリ返しの格好にさせ、外科用の手袋をはめた指をいきなり肛門から突っ込み、「ああ、こりゃ、前立腺肥大だな」と即決した。

 前立腺は膀胱の下に位置し、ここが肥大化すると尿道を圧迫する。だから、オシッコの出が悪くなるというわけである。それ以来、前立腺肥大のクスリをずっと飲んできた。その開業医にはもう通院していないが、かかりつけの心療内科で同じクスリを処方してもらっている。去年、肺気腫になった際、主治医からは「肺気腫によく効くクスリがあるんだけど、前立腺肥大だと処方できない」と言われていた。

 今回の入院に合わせて、念のため前立腺のほうも一度ちゃんと診てもらうことにしたのだ。すると、まったく問題ないという結果が出た。「は?」である。じゃあ、この8年間は何だったのか? 飲みつづけてきたクスリは? 今思い返せば、僕の肛門に指を突っ込んだ開業医の中で、診断は最初から決まっていたような気もしてくる。それを信じ込んだオレもまだまだ甘いなと思った。そして今後は、肺気腫によく効くクスリが処方されることになったのである。

 今週から仕事に復帰した。排尿時の痛みはまだあるものの、日を追うごとにそれは小さくなっている。
2015年07月03日