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週刊代々木忠

売買春は合法化すべきか?
  先月、アムネスティ・インターナショナルが「売買春の合法化」を支持する方針を決定した。ご存じの方も多いと思うが、アムネスティといえば世界最大の人権団体。これまでにノーベル平和賞を受賞し、今や世界で700万人以上がその運動に参加している。

 そんな団体が、「合意のもとで」(自分の意思で働いている)という条件はつくものの、「売買春は合法化すべきだ!」と言い出したものだから、他の人権団体や女性団体からは、当然のごとくと言うべきか、非難が殺到した。ハリウッドの女優たちからも強い反対の声があがったという。

 では、なぜそんなことをアムネスティは言い出したのだろうか? アムネスティの事務局長が言うには「性労働者は世界でもっとも軽視された集団であり、ほとんどが差別、暴力、虐待の危険に常にさらされているから」。

 娼婦は古代からある職業だと言われている。人類あるところに売春あり。「売買春が違法か? 合法か?」はこれまで各国でくり返し議論されてきた。現在、合法としている国はタイ、台湾、オランダ、フランス、ドイツ、デンマーク、スイスなど……ほかにもたくさんある。

 合法化して問題がないかというと、そんなことはない。たとえばオランダは合法化すれば女性に対する強要や暴力、性病の予防ができると考えた。ところが現実には脅迫されて売春を強要されているケースがなくならないという。

 たとえばスウェーデンは完全解禁ではなく、買う客のほうを罰することにした(売る女性にはお咎めなし)。しかし、これによって客は海外に買いに行く一方、国内の売春は地下にもぐり、危険はいっそう増したともいわれる。また、かりに児童売春が行なわれていたとしても、客はそれを通報しない。言うまでもなく自分がパクられかねないからである。

 さて、わが国はといえば、売春防止法によって売春は禁じられている。だが、罰則はない。売春防止法でパクられる可能性があるのは、第5条の勧誘に抵触した売るほうのみで、買った男はいずれにしても裁かれない(相手が未成年の場合、淫行条例には抵触する)。売春防止法の罰則規定で問題になるのは、客から暴力行為を受けたり、料金を踏み倒された場合でも、女性はなかなか訴えづらいという点だ。

 歴史をふり返るまでもなく、いくら法律で禁じようが買う者は絶対にいるし、売春はなくならない。違法とすれば、そこに付加価値が生じて、地下へともぐる。犯罪の温床にもなるだろう。このように違法にしても解決せず、さりとて完全に解禁しても、あるいは売る側・買う側のどちらか一方だけを罰しても、どのみち問題はついてまわるというわけである。

 じゃあ、どうすればいいのかだが、とかく売買春の議論で思うのは、結局のところ「性処理の捌(は)け口の場を解禁するのか、しないのか」というだけの話に聞こえる。まるで娼婦はモノ扱いだ。アムネスティが言う「性労働者は世界でもっとも軽視された集団であり」というのは、まさにその通りだと思う。

 僕は現場でいろいろな女性と接してきて、日本の性の現状はふつうの人よりは深く知れる立場にいる。その立場から言わせてもらえば、売買春が合法か違法かを論ずる前に、そこが性処理の単なる捌け口ではなく、何かを分かち合う場であり、人が真に癒される場であり、同時に性を教わる場だととらえない限り、なにも変わらない気がする。

 性は個人個人に委ねられてしまっている。本能なんだから誰かが教えずとも、あらかじめ身についていると言いたいのだろう。だが、本当にそうだろうか。人間をあらしめている、その根源とでも言うべき性。これまでどの国も、必然である性の本質に対してあまりにも無知であるがゆえに軽視しつづけてきたように僕には思える。言い方を換えれば、「性とは何か」「性はいかにあるべきか」――そこを引いたところで、ちょっと見下したところで片づけちゃってるように見えるのだ。人権が主張される一方で、人と人との温もりはどんどん希薄になっていく時代だからこそ、人類は真摯な態度で性を哲学・科学する必要があると思えてならないのである。
2015年09月11日