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アテナ映像

週刊代々木忠

幸せが生まれる場所
  「幸せな人ほど、脳のある部分が大きい」という研究結果が発表された。いったいどういうことなのか?

 〈幸福を強く感じる人ほど脳の「楔前部(けつぜんぶ)」という部位の体積が大きい傾向があることが分かったと、京都大などのチームが20日付の英科学誌電子版に発表した。チームは、楽しい、うれしいと感じた時に活動量が高まるとされる楔前部に注目。平均年齢22.5歳の男女51人の脳を磁気共鳴画像装置(MRI)で調べた後、質問紙で「同年代の人に比べ幸福だと思うか」「生きる上で目標や計画はあるか」など約50項目について尋ねた。その結果、幸福を強く感じる人や人生に意味があると思う人ほど楔前部の体積が大きい傾向があった〉(2015年11月21日付日経新聞)

 幸福を解くカギにもなりそうな楔前部(けつぜんぶ)だが、ここは瞑想トレーニングによっても体積が増えると以前から言われている。ならば、瞑想によっても幸福感は増進するということになる。

 そもそも瞑想とは何だろう? これまで瞑想については詳しく書いてこなかった。瞑想には宗教的なものもあれば、精神統一や健康維持的なものもある。いずれも瞑想には違いない。つまりキッチリとした定義はないように思うが、たとえば「瞑想とは無になることだ」と誰かが言ったとしよう。しかし、無になるべく瞑想してみても、気づくといろんなことを考えていたりする。無になるためには、もう気を失うしかないんじゃないかという笑い話まであるくらいだ。

 それはともかく、ふだん脳はいろいろな情報をやりとりしている。見たり、読んだり、聞いたり(嗅いだり味わったりさわったりもあるだろう)、そうして入手した情報の中にはストレスの原因になるものも含まれている。そういうふだんのネットワークをいったん遮断することが瞑想の最大のメリットと言えよう。ただし、前述の「無になる難しさ」さながら、気がかりな情報であればあるほど、その囚(とら)われから逃れることは難しい。では、どうすればいいのだろうか?

 瞑想の仕方はいろいろあるものの、そのほとんどが最初は呼吸から誘導していく。いくつ吸って、いくつ吐いてと。呼吸を意識すれば、それだけで外のネットワークを断つことができる。つまり、呼吸法だけでも充分瞑想になり得るのだ。いや、酸素を多く取り込めるし、血行もよくなり、体によいことは瞑想以上にある。以前にも書いたことがあるけれど、ゆっくり吐くことに気持ちを集中させれば、吸うのはいい加減であってもいい。吐き切れば、おのずと吸う。かえって正確さにこだわれば思考が働いてしまい、それはよろしくない。

 ベトナムの禅僧ティク・ナット・ハンは、かつて「歩くこともまた瞑想である」と言った。僕は股関節の調整をやっていて、歩くときにはまず踵をつけて、内側に重心をかけながら親指のつけ根から蹴り出す。先生からは「外側に重心かけちゃダメだよ」と言われている(もちろんそれは僕への指導であり、内側にかけちゃダメな人もいるのだが)。でも、歩くことに心を傾けているとき、僕は歩くことだけを感じており、ほかはなにも考えていないのに気づく。ティク・ナット・ハンの言うとおり、まさに歩くことも瞑想なのだと身をもって感じるのである。

 情報化社会と言われはじめてから、いったい何年が経っただろう。まるで情報の洪水のような社会に暮らしていて、束の間そこから自由になったとき、幸福の芽が育つというのも、それはそれで腑に落ちる話だと僕には思えるのだが、みなさんはいかがだろうか。
2015年12月04日