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アテナ映像

週刊代々木忠

愛人
  社会性にどっぷり浸かって生活していると(H48)、ときめくような出会いがない。嫉妬や打算で生きていると(H96)、執念深くて計算高い人にしか出くわさない。対人的感性が開花し、利他で生きれば(H24)、巡り会うのは思いやりのある人であり、体験するのは心和む出来事となる。ひと言でいうなら、人は自分が出しているものと出会う――ということである。

 「ザ・面接 VOL.162」に出たゆきのは、職業を訊かれて「愛人をしております」と答えた。「パパ活」をしている子なら以前にもいたし、今どきはそう言うのかと思ったものだが、「愛人」とはなんとレトロな響きだろう。しかも言った本人は、まだ29歳。9年間、2人の男性と同時進行でつきあっており、現在のお手当を年収にすれば1千万円を下らない。いったいどんなセックスをしているのだろうか?

 さっそく市原がゆきのに訊く。すると「セックスって……前ですよね?」と訊き返してくる。どういう意味なのかと、エキストラの女の子たちも聞き耳を立てている。ゆきの曰く、前(オマンコ)でするのは、たとえ挿入されたとしても前戯の一部であり、本番はアナルセックスだというのである。つきあっている男2人とも、である。みんなあっけにとられるなか、「あんた、アナリストか!?」と市原。

 しかも、彼女自身は「アナル」とも「お尻」とも言わない。「お尻に入れられてるんだろ?」と訊いても、「はい、ケツの穴です」と答える。きっとふだんからそう言わされているのだ。言わせている男のほうは、自分の欲を満たすためにお金で彼女を拘束する。素の自分では恋愛ができない男。そして彼女もまた恋愛ができない。

 事前の監督面接で初めて会ったとき、「(愛人は)仕事だから、相手の男性には甘えられないんです」と彼女は言った。でも、心の奥では甘えたいに違いない。それを問うてみると、「それはそうなんですが、人生で一度も男の人に甘えたことがないんです」と言う。深くは踏み込まなかったけれど、彼女は幼いころ、親との関係で何かつらい思いをしたのではないかと感じた。

 また「現場ではどういうことがしたいか?」と訊くと、「男の人に責められる激しいセックスがしたいです」と言う。それを体現するかのように、撮影当日、片山が彼女の股間を責めると、「チンポ欲しい」と卓に目をやり、突き出されたペニスにむしゃぶりついた。涙とよだれを垂らして、オエオエ言いながら喉の奥まで咥え込み、股間からはビシャビシャと潮を吹きつづける。それはエキストラたちも言葉を失うくらい鬼気迫るものだった。

 事前面接の際、僕は「(現場で)甘えられたらいいよね」とも言った。だが、彼女の中には「やっぱりビデオも仕事だから」という思いがあったはずだ。出演直前に彼女には催淫テープを聴いてもらった。催淫テープには社会性という重しを無化する働きがある。

 卓のチンポが前に入ってくると、ゆきのが「ねえ、キスして」とささやく。「幸せになれ!」僕は声をかけた。キスしながら、ゆきのが泣き顔に変わる。「甘えろ!」とふたたび声をかけると、抱き合ったまま、ついには声をあげて泣き出した。エキストラたちも涙を流して見守っている。

 終わったあと、エキストラの1人が言った。「やっと気持ちよくなれたというのがすごい伝わってきた」。市原がゆきのに「今までのセックス、よくなかったんか?」。ゆきのは首を縦に振りながら、幼子のように泣きじゃくった。

 感情が出たから、あと一歩だと僕は思っていた。その思いはあの場にいた他の者たちも同じだったのだろう。市原が「もう一発やってけ!」と片山を指名する。片山のペニスも喉の奥まで咥え込んだあと、自分から大股開きになって、アナルに自らの指を入れる。1本、2本、3本、4本……ここに入れてくれと誘っているのだ。だが、片山は迷わず前に入れた。すると「マンコじゃイヤ」とつぶやく。「マンコで気持ちよくなれ!」と僕は声をかけた。

 片山との目合(まぐわい)に近いセックスが終わって、カメラを向けると「愛人さんも今日で辞めます」と小声で言う。「え?」と訊き返すと「うそ」と笑ったあと、「なんか辞めたくなっちゃった」。僕は「辞めたらあかん、せっかく9年もやったんや」。「ええーっ?」とあちこちで笑い声が起きる。「そーなんですか?」と、とりわけ腑に落ちない様子の森林。つづけて「『そうだろ。知ったらできないだろ!』じゃないんですね?」。

 「愛人にああいうふうに甘えればいいんじゃないか」と僕は言った。そうすれば辞める必要はないし、もし自分が愛人ならば、甘えてくれたらやっぱりうれしいだろうと思ったからだ。

 ところが、エキストラの1人は「愛人には甘えられないのよ。愛人の言うことを聞いてるから、それだけ(お金を)もらえるんであって……」と言う。他のエキストラたちもだいたい似たような意見だった。つまり、お金である意味、割り切った関係の中に気持ちが入り込んでくると、それは重いということなのだろう。それを裏打ちするかのように、玉木は「たぶん都合のいい関係だと思うんですよ、お互いに。そこで、ちょっとでも面倒臭いって思わせたくないんじゃないですか、彼女としては」と語った。みんなの意見を聞きながら、なるほどなぁと思った。

 作品としてはここで終わるのだけれど、ゆきののその後が僕は気になっていた。それを知るためもあり、次の「ザ・面接 VOL.163」にも彼女をキャスティングした。撮影の数日前、監督面接にやってきた彼女に「あのあと、どうだった?」と訊いた。すると彼女は「愛人と別れました、2人とも」と言う。「じゃあ、生活のほうは?」と訊けば、「ビデオだけでは食べていけないし、パートでもなんでもコツコツやるつもりです」と言う。すでに仕事の一部は始めているみたいだ。ただ、彼女の報告はこれだけではなかった。

 作品に出てすぐあと、ある男性との出会いがあったそうだ。そして2週間ほど前から正式におつきあいを始めたと言う。「私、これまで人を好きになるという感情がわからなかったんです。でも、今はその人にとても魅かれています。こんな気持ち、生まれて初めてなんです」――自分の発するものが変われば、出会いもおのずと変わるのである。
2019年07月05日