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アテナ映像

週刊代々木忠

家出をしたい女の子
 長引くコロナでストレスも溜まる。家にいづらいと感じる子どもはコロナ前からいたけれど、親のテレワークや休業など、外出自粛が子どもへの虐待や過干渉を助長しているようだ。耐えかねて家を出ても、ネットカフェやまんが喫茶は営業を自粛していたりする。

 「#神待ち」というハッシュタグを見たことがある人は多いだろう。「救いの手を差し伸べてくれる人を待つ」から転じて、家出した少女たちがSNSで泊まる場所を探すときに使うハッシュタグである。

 彼女たちの保護に真摯に取り組んでいる団体もあるが、一方で性被害に遭う少女たちも増えている。家出した女子中学生を言葉巧みにホテルへ連れ込んだのが、じつは中学の教諭だったなんて事件も起きている。

 こういうニュースを見るにつけ、僕は25年前に撮った1人の女の子を思い出す。事前面接で出演動機を問うと、長瀬あゆ(20歳)は「家出の資金が必要なんです」と言った。お父さんが厳しく、門限が夜10時だそうだ。

 彼女は恋人と旅行に行くとき、仲のいい女友達の家に泊まるということで許可を得た。ところがお父さんから電話が入る。「今お風呂に入ってます」と機転を利かせてくれた友達。するとお父さんは「お風呂から上がったら、あなたと一緒に電話をかけさせて」と言ったのだという。

 かなりのものである。これじゃあ、息もつまるだろう。僕の上の娘があゆより2つ下だ。だからお父さんの気持ちもわからないではないが、もう少し自分の娘を信じてやればいいのにと思った。

 でも結局、僕は彼女を撮っている。出演が本人の意思とはいえ、家出の資金づくりのために出たいという女の子に「『そんなことはしないで』と諭(さと)すのが普通じゃないの?」と言われれば、たしかにそうだ。

 ロケ地は秋川渓谷の割烹旅館・石舟閣。1泊2日のスケジュールである。僕は娘と歳が近い「彼女の素」を撮りたいと思った。現場で何かを要求すれば、きっと監督の言うとおりにこなすだろうが、それは本当の彼女ではないし、肝心な内面を取り逃がしてしまう。

 とはいえ、事前面接のときから彼女で卑猥な映像を提供するのは、かなり難しいだろうとも思っていた。さてどうしたものか。

 僕は別の女性を加えることにした。さかのぼること数カ月前に撮った「熟女34歳2児の母」という作品に出ている熟女である。色っぽいし、SMなどの少々エグいことも好きだから、エロさの保険になる。

 ただし、単に共演するのではなく、別の監督が別の作品として、たまたま同じ旅館へ撮影に来たという設定にした。もちろんその作品は架空のもので、監督も熟女も男優も、いわば仕掛人である。あゆだけが何も知らされていない。

 熟女には「ウブな子がいるんだ。だから君は仕掛人として、とことんエグいところを見せてやってくれ」と頼んだ。熟女はエロさの保険であると同時に、あゆに何らかの変化をもたらす触媒のような役割である。そして男優の日比やんは熟女もあゆも相手にする。

 こういう仕掛けを作って、あゆにはオナニーを要求した。カメラに撮られながらのオナニーは、セックスよりも自分をさらけ出さなければ決してイケない。人前でするオナニーでイクのは、外側につけた社会性を落とし、その子が本当に開いたということである。彼女は撮られていることさえ忘れたかのように乱れ、押し寄せる快感の津波に自分を明け渡した。

 オナニーを終えたあと、あゆがポツリと漏らす。「なんか今なら何でもできそうな気がするなぁ」。それを聞いて次のステージに移れると僕は思った。熟女がSMシーンを撮るので「見たい?」と訊いたのだ。「すごい見たい」とあゆ。「ショック受けるかもわかんないよ」と言ってみたが、彼女は興味津々で隣の離れへ見に行った。熟女は縛られ責められている。「見てえ!」と叫びながら。見ているあゆの目からは涙がポタポタと落ちた。

 さらには「女の子にぶたれるの好きだよね?」と熟女に日比やんが尋ねると、即座に「好き」という返事。縛り用のロープを棒状にきつく巻いたものをあゆに渡し、それで熟女のお尻をぶつよう勧めた。躊躇する彼女は最初、形だけ当てる。「もっと強く!」と言われて、やや強めにぶつものの、結局、顔を手で覆って泣き出してしまった。

 このあと熟女は日比やんと情の通ったいいセックスをするのだが、あゆは最後まで見届けることなく、自分の部屋へと戻ってしまう。

 「この女の人、こんなになるまで何かつらいことあったのかな……」とあゆがメイクさんに今見た光景を話している。なぜ彼女はそんなことを言い出したのだろう。僕はSMを撮るうちに、SもMも結局は主従関係でしか相手とつながれない内面を見てきた。それは幼児期の虐待など、親との関係が影響していることも多い。

 しかし、あゆはきょう初めてSMを見た。社会の縛りから解放されて、自分の感情で向き合ったとき、責められてヨガる熟女の中に何かを垣間見たのではないだろうか。でも、それがはっきりとはわからない。だから「こんなになるまで何かつらいことあったのかな」と、あゆなりに思いを巡らしている。

 そこへ当の熟女がメイク直しにやってきた。「普通のエッチは嫌いなんですか?」とあゆ。「ううん、大好きですよ」と2人の自然な会話が続いていく。SMより普通のセックスのほうが好きだと言うし、いろいろ話を聞いているうちに、その気さくな人柄にあゆは和み、心を開いてゆく。

 頃合いを見計らって、僕は「オナニー撮るよ」とあゆに言った。複数のバイブの中から好きなものを選んでおくように伝え、そのまま僕は部屋を空けてしまう。そして、日比やんを部屋に向かわせた。どれでしようかなと想像するだけで、すでに彼女の中にはエッチな世界ができあがっている。

 日比やんが気持ちを込めて向き合う。最初は照れていた彼女だが、彼を受け入れたあとは想像以上に感情のこもったセックスになった。あゆは声をあげて泣いた。これまでお父さんに対してずっと溜め込んできた思いがあったはずだ。いや、それはお父さんに対してだけではないかもしれない。そういう思いが、この2日間、そして最後に日比やんと溶け合うことで中和され、本当の自分を産み出した。

 セックスが終わった後のインタビューで、あゆは「お父さんのそばにもっといたいなぁと思っちゃった」と言った。それを気づかせるために撮ったわけではないけれど、彼女の言葉によって救われたのを今でも覚えている。

 人間が本来もっているやさしさで人とふれ合う。その大切さをもう一度見返す時期に来ているように僕は感じる。他者との関係が希薄にならざるを得ない今こそが、そのチャンスだと思うのである。

2021年05月28日