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アテナ映像

週刊代々木忠

アーカイブス108 ミッション
 フランシスコ・ザビエルが日本に来たキリスト教宣教師であるのは僕も知っていたけれど、16世紀すでに彼がイエズス会本部へ「日本の中心に大学を作るべきだ」と申請していたことは、『日本仏教史』(蓑輪顕量著、春秋社刊)で初めて知った。

 ザビエルといえば、以前、監督面接で会った女の子が「ザビエル様が来られて以来、うちの家系はずっとその教えを守ってきたので、私がこういうビデオに出ていいものかという思いは今も……」と語った。撮影当日、結局、彼女は来なかった。話からも性にストイックなのはよくわかったし、出たら穢(けが)れると思ったのかもしれない。

 話をもとに戻すと、ザビエルが設立を志した大学は、なんと4世紀ものちに実現する。かの上智大学である。優秀な人材をたくさん輩出している私立の名門だ。そのなかには市原克也もいる。ん?

 アダルトビデオには一流大学卒の女性たちが数多く出演しているものの、僕が撮ったなかで上智出身の子は1人しかいない。前述の女の子じゃないが、カトリックの教えはどこかで影響しているのだろうか。

 唯一出たというのは、2002年に撮った「ザ・面接」である。彼女は通訳・翻訳業をしていた。冒頭、市原との会話。「上智大学でしょ? 僕の後輩ですよ。初めてですね。2人で恥さらしですね。教会の前で懺悔しますよ、今度。……やっぱ雰囲気ちゃうわ。なんか一気に賢そうやもん」とまくし立てる。「そうでもないです」と彼女は言うが、市原の言うとおり知的な雰囲気が漂っている。

 続けて「初体験23歳? 卒業してからですか?」「そうです」「大学でせえへんかった?」「しなかったです」「校内で」「校内でしないです」「よくやりましたよ、学食とか」「え? 学食!?」「図書館のトイレとか、教会とかでもやりましたよ僕は。もちろんナマですわ、ズボズボ!」「バチ当たりますね(笑)」。

 なんたる下品さ、図々しさ。でも、緊張してた彼女が、いつしか市原のトークに巻き込まれている。そしてこのあと、いいセックスをするのである。それを見ていたエキストラの1人が言った。「これまで彼女の隠された一面が一気に爆発したという感じがありますけど、最初から拒否しているような感じだけど、じつは求めているというか……」。

 「じつは求めているのに、拒否しているように振る舞っていたもの」の正体は何だろう? 彼女の中の常識や倫理観だろうか。プライドや世間体だろうか。市原はトークの中で「(セックスは)頭でやるもんちゃうから」と何度も彼女に言っている。欲望や感情にフタしているものを市原は見抜き、容赦なく叩き壊してゆく。

 「ザ・面接」シリーズを始めるにあたって、僕は男優たちに「中途半端はダメだよ!」と言った。確かに言ったけれど、「おい、そこまでやるかよ!」と僕を驚かせ、初期のレイプ風の土台を作ったのは市原だ。男優仲間が思わず引くくらい過激に……。初めて会った相手を開かせ、作りものを壊してホンネを露わにする手腕に関して彼の右に出る者はいない。

 今なお「ザ・面接」シリーズが続いているのは、市原克也がいたからである。フランシスコ・ザビエルが歓んでいるかどうかは別にして。



(2017年11月3日掲載)



 撮影現場で行きづまることがある。そんなとき、いちばん頼りになるのが市原だ。彼ならば場を作り出し、それを展開することができる。以前、「その場で相手との信頼関係を築く『ラポールの銀次』、演じているという意識がありながらその作為をも超えてしまう『虚実皮膜の森林』」と書いた。それで言うと、現場では『虚実一体の市原』だろう。僕から見ても、彼の言動はどこまでが演技なのか、どこから本気なのかがわからない。だからこそ、その人間味に魅せられるのである。
2021年06月04日