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週刊代々木忠

アーカイブス113 セックスの相性
  「相性」とは『広辞苑』によれば「共に何かをする時、自分にとってやりやすいかどうかの相手方の性質」だという。「共に何かをする」、それがセックスならば、その「相性」とは結局どういうことなのだろう。

 読んでいるあなたが自らの経験をふり返ったとき、「相性がいい」と感じた相手もいれば、「よくなかった」相手もいたかもしれない。ネットの記事などを読んでいると、「サイズや形」「技術」「頻度」などの点から「相性」をとらえているものもある。僕はちょっと違う視点から見ていきたい。

 たとえば「ザ・面接」には、いろいろなタイプの女の子がやってくる。やってもやっても「まだ足りない」と言う子もいれば、セックスのシチュエーションや体位にこだわる子もいる。そうかと思えば、セックスのあとに至福の涙を流す子も……。

 ことほどさように、セックスという一面を見ても人によってぜんぜん異なるわけだから、合うパートナーも違って当然である。

 以前にも書いたことがあるが、人は「本能系」か「思考系」か「感情系」のいずれかに属している。「本能系」の女なら「本能系」の男と、「思考系」の女なら「思考系」の男と……というように、同じ系同士がいちばん合うと僕は思っている。つまり、それこそがセックスの相性ではないかと。

 先ほど例に引いた「やってもやっても足りない子」とは「本能系」に属しており、しかも社会性に縛られているか、ストレスを溜め込んでいる。こんな子に太刀打ちできるのは、生き物としての精力も強い「本能系」の男くらいである。

 一方、「思考系」同士では、そもそも考えるのが得意だから、妄想すらもセックスのスパイスになってくる。SMプレイを楽しむのも、この「思考系」だ。換言すれば、SMを構築するにはそれだけの頭脳が求められるということである。また、セックスはなければなくてもいいという人も「思考系」に多い。

 残る「感情系」は、体力に任せてやりまくるのは得意ではないし、妄想を駆使してイヤらしいセックスを展開するのも本分ではない。では、セックスに何を求めているのか? それは愛情交感という側面ではないかと思う。

 このようにそれぞれの指向性があるから、それが違う者同士がセックスしても、やはり上手くはいかない。したがって、セックスの相性とは、まずは自分の指向性に合う相手、つまり自分と同じ系の相手を選ぶことにある。

 とはいえ、セックスとは単に性器の結合ではないし、快楽の追求だけでもない。お互いの心がつながらない限り、なかなか充足は得られないものだ。「本能系」や「思考系」のセックスでは、心がつながりにくいのも事実である。その点、「感情系」はもともと愛情交感へと向かうため、3つの系のなかでは最もつながりやすい。

 こう書くと、「感情系」がよくて、「本能系」や「思考系」はダメだと思われるかもしれないが、もちろんそんなことはない。なぜならば、3つの系とはいわばヨコ軸であり、このほかにタテ軸があるからだ。タテ軸とは「意識階梯」である。それぞれの人の意識レベルが上がっていけば、ヨコ軸の系とは関係なく交わり合い、つながっていけるのである。




 【H12】深いオーガズムの意識レベル
 【H24】肉体のみならず心の歓びも得る意識レベル
 【H48】肉体的な快感の意識レベル
 【H96】ストーカー・セクハラ・SM的セックスで快を得る意識レベル
 【H192】【H384】ハードSM・レイプ・快楽殺人で快を得る意識レベル

(2016年5月13日掲載)


 セックスの相性は合うに越したことはない。とはいえ、夫や妻が、あるいは恋人が、同じ系とは限らないのが現実だ。

 つきあい始めたばかりなら「もう好きで好きでゾッコン」だから、セックスも楽しいに違いない。それは右脳が主導権を握っているからである。右脳にとっては今がすべてであり、今にしか自分はいない。しかも、その自分はすべてとつながっている。

 ただし「好きで好きで」という感情は永続するわけではない。やがて主導権が右脳から左脳へと移る。厄介なことに左脳は自分とまわりを切り離し、過去と未来を考察する。

 では、パートナーが違う系の場合、どうすればいいのだろう?

 本文の最後に〈それぞれの人の意識レベルが上がっていけば、ヨコ軸の系とは関係なく交わり合い、つながっていけるのである〉と書いた。つまり、違う系同士であっても意識レベルが上がっていけば、右脳が優先的に機能し、相手の欲情や快感をわがこととして感じられるようになる。そうすればセックスが義務になることもない。

 「好きで好きでゾッコン」のうちに、男も女もオーガズムを体験するのが理想的だ。【H24】の意識レベルを獲得できるからである。しかし、熱い時期を過ぎてしまった場合は、女もそうだが、とりわけ男が思考を捨て、受け身になって相手に甘え、ヨガれば、オーガズムのレールに乗れる。

 現場において男が能動的に女をイカせようとしたとき、一度としてオーガズムは起きたことがない。「イカせよう」という思考は、そもそも主体(自分)と客体(相手)が分離している。つまりは左脳がしっかり働いているのである。男も女も左脳が主導権を握っている限り、オーガズムを体験することは絶対にない。

 相手が感じてくれれば、またしたくなる。そのためには右脳に主導権を握らせる。いわばセックスに左脳を明け渡せばいいのである。ともにオーガズムを体験した夫婦には豊かな人生が待っている。それは僕が保証する。


2021年07月23日