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アテナ映像

週刊代々木忠

セックスに占める心の領域
  自分の過去の作品をふり返ったとき、なくてはならないもの、もしなかったら作風もきっと変わっていただろうと思うものが催眠である。これまで書いたことと重なる部分もあるが、催眠が僕に与えた影響を記しておきたい。

 「サイコ催眠エクスタシー」というシリーズを撮るにあたって、知人からジャイアント吉田さんを紹介された。彼との出会いで催眠というものを目の当たりにした。それまで催眠は胡散くさいものだと感じていた。たぶん多くの人が似たような認識であっただろう。

 ただ、吉田さんはマウンテン・プレイボーイズやドンキーカルテットのメンバーである。最初に会ったとき、僕にしてみたら彼はテレビの中の人だった。そんな彼が人を騙すようなことはしないだろうとも思ったのだ。

 「サイコ催眠エクスタシー」はセックスに催眠を取り入れたシリーズである。事前の打ち合わせで「催眠でこんなことができますか?」「あんなこともできますか?」という僕の質問に、吉田さんは「できます」「できます」と答えた。実際に女の子に暗示を入れると、その子は凄まじいまでに感じ出し、ヨガりまくった。

 僕は吉田さんから催眠の歴史と、3段階の催眠技術(運動支配・感覚支配・記憶支配)に加えて後催眠暗示について学び、シリーズ7本を撮り終える頃には、運動支配と感覚支配までは使いこなせるようになっていた。だが、催眠で人をコントロールすることに対して、葛藤というか拒絶感があった。これを見世物にしていいのだろうかと。

 また一方では、記憶支配と後催眠暗示によって、外見からはうかがい知ることのできない「心の領域」に働きかけ、人をポジティブにできることも知った。僕にとって、それは未知なる可能性であると同時に光明でもあった。

 当時はどうしたらイケるのか、つまりオーガズムを体験できるのかに僕はこだわっていた。撮影前の事前面接で彼女たちと腹を割って話していると、イケない理由が見えてくる。

 ある女の子の中では、セックスが「恥ずかしいもの」「人に知られてはいけないもの」からいつしか「いけないもの」になっている。別の子は、親からの虐待や男の裏切りなど、つらい体験を通して人間不信に陥っている。こういう状態のまま現場に臨んでも、セックスで相手と溶け合うことなど到底できない。

 では、どうしたらいいのか? 記憶支配と後催眠暗示によってこれらの刷り込みやトラウマを中和し、まずはセックスに没頭できる状態にしようと考えた。事前面接で本人の承諾を得て、僕が直接行なうか、もしくは感覚支配と後催眠暗示を入れたテープを聴いてもらう。催眠によってトランス(ニュートラル思考)に入れば、それまで自分を縛っていたものから彼女は自由になれる。

 このように、いいセックスができる状態にして現場を迎える。監督面接におけるセックスのレクチャーや催眠誘導は作品には出てこないので、僕にとってはここが事前の仕込みであり、種明かしをと問われればこの部分がそれにあたる。現場では起こってくることを否定せずに、ただ受け入れるのみである。

 実際、トランスを体験して、その場の人間を感動させるようなセックスを見せてくれる子もいれば、監督面接から数日の間に元に戻ってしまい、セックスではないカラミ(相手の体を使ったオナニー)に終始する子もいる。それだけ刷り込まれた期間が長いか、トラウマが深いということだろう。「ザ・面接」ではたくさんの子がセックスするから、カラミはカラミで、結果的にはいいセックスを際立たせることになる。

 ともあれ、かくも人の心は一筋縄ではいかないということだ。拙著『色即是空』の前書きにこんな文章を載せた。

 ビデオカメラは絶え間なく流れる時間を記録することができる。記録された一瞬に、永遠の真実が刻まれることもあるだろう。それは人間のありのままの姿であり、見えないはずの心である。


2021年10月15日