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アテナ映像

週刊代々木忠

快楽の奥義って何だ?
  「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ 12」は「究極の快楽 その奥義は感情にあり」というタイトルである。なぜこういうタイトルにしたかは、おいおいおわかりいただけるだろう。

 この作品には3人の女の子と3人の男優が出演している。女の子は、元OL、AV女優、エステティシャン。男優は、佐川銀次、吉村卓、トニー大木。

 元OL(28歳)は8年間勤めた会社を最近になって辞めた。彼女は社会的な枠組みの中できちっと約束事を守って生きてきたのだが、もう耐えられないと退職を決めた。彼女の言葉を借りれば「つねに上司や同僚の目を気にしつつ仕事をするのがつらかった。このままでは女じゃなくなってしまう」。

 ちなみに彼女は、セックスでイッたことがない。「経験不足でフツーのエッチばかり。彼がイッたら終わり。今までの男たちはみんなそう」。そんなふうに彼女は語った。

 AV女優(21歳)は、当初出るはずの女の子が急遽出られなくなって、撮影当日、代打としてやってきた。だから僕も会うのは現場が初めてだった。聞けば、これまでにAVには10本くらい出ているらしい。彼女もセックスでイッたことがないと言う。じゃあ、これまで出た作品ではすべて演技か?となるのだが、監督からは「適当にピクピクしたらいいから」と演技指導(?)を受けていたようだ。

 そればかりか、先の元OLも、このAV女優も、セックスで女は腰を使わないものと思い込んでいたというから、僕はびっくりである。

 出演者6人がそろったとき、男優のトニーを客に見立てて、エステティシャン(24歳)に性感アロママッサージを披露してもらうことにした。まず彼女はローションを両手でよくこすり、こすり合わせた両手のひらの間に糸を引くネットを作った。それをトニーのペニスにかぶせてゆく。こうしてバキバキのおちんちんをローションでこすったり握ったりしながら、舌はトニーの乳首を這う。ファインダー越しに見ていて、思わず声が出そうなくらい、ねちっこくていやらしい。

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 ところが、トニーは声を出さない。このアロママッサージが気持ちよくないはずはない。なぜ彼はよがらないのだろう? 声を出したらどう思われるのか気にしているのか、あるいは恥ずかしいのか、撮りながら僕もいろいろ考えてしまった。

 彼に「なぜ声を出さなかった? 男優の主体性はないのか?」と訊いたら、「これまでほとんどの現場で『声、出すな』『顔、出すな』『抜き差しだけ見せろ』と言われてきました」と言う。僕はそんなバカなと、ため息が出た。

 休憩時間、銀次がこんなふうに解説した。「変わらないですよ。彼女はいつも上司・同僚の目に気をつかって、本来やるべき仕事に気が向いてない。僕ら男優の場合だと、トニーがさっき言ってたことというのは、対女の子じゃないんですよね。ディレクターに気が行ってる。ディレクターのOKをもらうために仕事をしている。もしくはプロデューサーがこう言ってたということに気が行ってるんですよね。だから、目の前の女の子にぜんぜん気が行っていない」。

 なるほど、男優がそれでは、AVに10本出てもイケないわけである。でも、大なり小なり男たちは、そういうセックスをしているんじゃないかとも僕は思った。

 銀次の言うように、AVの現場でも一般企業でも、起こっていることは結局同じということである。元OL、AV女優、男優の3人に共通しているのが、社会的に自分を縛ってしまっているということだ。前回のブログで「通勤電車のユーウツ」という話を書いたけれど、みんな自分を出さないことに慣れてしまっているように、僕には思えてしかたがない。

 セックスにおいては、元OLの言葉の端々から「男がイカしてくれない」とか「相手の男に技術がないから」というのが感じられる。彼女はイクにはテクニックが重要だと思っている。そういう意味での技術ならば、これまで数千本の作品に出演してきたトニーは、まさに「専門的技能」の持ち主なのだが......。

 いまから18年前、『プラトニック・アニマル』の中で、僕は「セックスのときに社会性をどれだけ捨てられるか」ということをくり返し述べてきた。でも、結局、そこからみんな抜け出ていないというか、状況はよくなるどころか、いっそう悪くなっているようにも思えるのである。

(つづく)


2010年03月19日