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アテナ映像

週刊代々木忠

大嫌いな人は自分の味方かもしれない!?(2)
  「アサヒ芸能」から依頼された1カ月間の密着取材を僕は受けたのだけれど、取材者である本橋信宏としては僕に会いづらかったに違いない。そのときの思いを『新・AV時代』(文藝春秋刊)の中で、彼はこんなふうに書いている。

〈おそらく向こうから断りの返事が来るだろうが、そのほうが私としても気が楽だ。
さんざ悪口を書いた人物と一ヶ月間密着する精神力など私にはない。
(中略)
「あのね、向こうはOKだったよ」
「え? ちゃんと僕の名前言いました?」
「言ったよ」
受けたいような受けたくないような、複雑な心境に陥った。
(中略)
連載の事務的な段取りを終えると、受話器を置いて、私は深く息を吐いた。
撮影現場というのは一番デリケートな空間であり、部外者を入れるのはできる限り避けたいものだ。
それを一ヶ月間も出入りを許可するとは、向こうも何か魂胆があるのか、それとも余裕なのか〉


 べつに何か魂胆があったわけではない。会ったらキンタマ潰してやろうとも思わなかった。深くは考えなかったけれど、なんとなくそういう時期が来たような気がしたのだ。

 ところが、密着取材で中に入って見てみると、本橋は外から見える景色とはまったく違ったものを見てしまった。彼が何を見たのかは彼の本『新・AV時代』で読んでもらえたらと思うが、最初1カ月(4回)で始まった連載は好評を博し、12回に延長されていた。

 そして連載が終わったあと、本橋は取材ノートに書き留めた僕の言葉を拾い出し、それを『代々木忠の愛の呪文』という一冊の本にまとめてしまった。あれだけ叩いていた僕を、まるで賞賛するかのような本を出したのだ。「本橋に一本とられたな」と思わず僕はつぶやいていた。

 取材時、本橋は正面から向き合ってきた。媚を売るわけでもなく、肩に力も入ってはいなかった。素の自分を出してきていたのだ。1~2時間のインタビューではないから、長期の密着ともなれば、僕も本橋もお互いにふだんの自分を出さざるを得なかったというのもあっただろう。

 僕は、本橋との関係で気づかされたことがあった。それは、相手を憎いと思ったり、あるいは軽蔑したり、攻撃の対象にしているというのは、見方を変えればとても縁があるということだ。縁のない人はまったく気にならないのだから......。したがって、大嫌いというのは好きの裏返しというか、そのくらい気になる存在だということである。もしもいま、あなたに大嫌いな人がいたとしたら、それはやがてあなたの強い味方になってくれる人かもしれない。

 ただし、ひとつだけ補足すれば、あなたが大嫌いな相手とは、時が来ないとその関係は成熟しないだろう。僕と本橋の関係も「アサヒ芸能」という第三者の介入があって会うことになった。だから、今回の話を読んで、よし、じゃあ、努力して相手と仲直りしようというのでは、おそらく上手くいかない。僕が密着取材を受けるときに断らなかったのは、そういう時期に来ていると感じたからである。ただし、それをも含めて、でも「大嫌いはいずれ自分の味方」ということを頭の隅っこに置いておいてくれたら、いずれそのチャンスが巡ってきたときに、あなたはそれを感じ取るはずである。

2010年07月02日